論文のタイトル: Triarylmethyl Cation Catalysis: A Tunable Lewis Acid Organocatalyst for the Synthesis of Bisindolylmethanes(トリアリールメチルカチオン触媒:ビスインドリルメタン合成のための調整可能なルイス酸有機触媒)
著者: Nicholas G. Boekell, Dana J. Cerone, Maria M. Boucher, Phong K. Quach, Wilfried B. Tentchou Nganyak, Christine G. Reavis, Ifeanyi I. Okoh, Jordan O. A. Reid, Hayley E. Berg, Briana A. Chang, Cheyenne S. Brindle*
雑誌: SynOpen
巻: Volume1, Issue1, 97-102
出版年: 2017年
背景
1: 有機触媒の現状と課題
金属触媒に代わる環境調和型の有機触媒の需要が増加
これまでの有機触媒は主に求核性触媒やブレンステッド酸触媒が中心
ルイス酸型有機触媒の研究は比較的進んでいない
トリアリールメチル(トリチル)カチオンの触媒能が1980年代から報告
2: トリチルカチオン触媒の特徴と可能性
電子供与基の数により反応性を8桁の範囲で調整可能
様々な求核剤/親電子剤の組み合わせに対応できる可能性
商業的に入手可能な染料として使用されている
触媒の状態を色で視覚的に確認可能
方法
1: 実験デザイン
インドールとアルデヒドからビスインドリルメタンの合成を検討
様々な電子供与基を持つトリチル触媒を比較
溶媒条件の最適化を実施
基質適用範囲の検討
結果
1: 反応条件の最適化結果
マラカイトグリーン(触媒2g)が最も効果的
ジクロロメタン中、35℃で最高収率
触媒量は5 mol%が最適
環境調和型溶媒でも反応可能(アセトニトリル、エタノール)
2: 基質適用範囲
電子求引性、電子供与性アルデヒド共に高収率
脂肪族アルデヒドにも適用可能
様々な置換基を持つインドールで反応進行
反応時間は15分から24時間と基質依存的
考察
1: 触媒の反応性制御
電子供与基の数により触媒活性を制御可能
水との反応性とアルデヒド活性化のバランスが重要
反応の進行を色変化で確認可能
酸に敏感な基質にも適用可能な温和な条件
結論
環境調和型の新規ルイス酸触媒の開発に成功
基質に応じた触媒活性の調整が可能
広い基質適用範囲を実現
温和な条件下での効率的な反応を達成
将来の展望
種々の分光分析の併用による応用範囲の拡大