Buchwald-Hartwig Cross Couplingの配位子として
有名なSPhosですが、構造の割に結構値段が高いんですよね。
んで、自分で安く作れないものかなと画策していましたら
意外と鍵となる前駆体が簡単に作れそうな論文がありました。
A straightforward anionic coupling for the synthesis of ortho-bromobiaryls (doi:10.1016/j.tet.2004.06.010)
肝心のAldrich社のSPhosの価格
(http://www.sigmaaldrich.com/catalog/product/aldrich/638072)
ですが、
1 gで13,200円
5 gで44,000円
25 gで104,500円となっております。
このルート案外ワンポットでいけるのでは?と思っているのですが、
もしかしたら実際の合成ルートもこのようなものかもしれません。
心配な点があるとすれば、
三塩化リンを作用させるときに低温であれば反応しないはずですが
アリールリチウムが複数りリンに攻撃するかももしれない点ですね
有機合成の落とし穴はいたるところにありますから。。。
ところで、先に挙げた論文でもっと面白いことができないだろうかと思いまして
今回他のマルチブロモベンゼンと反応させてみましたので
その報告だけしようと思います。
まだあまりしっかりと追試と検討を行ったわけではないのですが、
筆者がヘキサブロモベンゼンで同様の反応を行ってみたところ、
1-ブロモ-2,6-ジメトキシベンゼンが得られましたヽ(`Д´#)ノ。
おそらくヘキサブロモベンゼンの方はベンザインが出たものと思われます。
副生成物を完全に解析したわけではないので、
ヘキサブロモベンゼンの行く末は続報をお待ちください。
一方、1,2,4,5-テトラブロモベンゼンで検討を行ってみたところ、
相変わらず1-ブロモ-2,6-ジメトキシベンゼンが取れましたが、
反応混合物をGCMSにより分析しましたところ、
今回は論文で報告されている反応と同様の反応が進行した
と思われるマススペクトルが得られましたε-(´∀`*)ホッ。
ヘキサブロモベンゼンとテトラブロモベンゼンともに
リチウム-ハロゲン交換反応が進行する結果となってしまいましたが、
ヘキサブロモベンゼンは溶解度があまり良くないので、
論文のProcedureと異なる方法で添加しましたのでその影響かもしれません。
それでは。
2015年2月22日日曜日
非対称オルト‐ターアリールの合成
皆さんはターアリール骨格を作れと言われたらどのような手法を考えますか?
やはり一番最初に浮かぶのはカップリング反応による合成でしょうか
異なる周期のハロゲン(例えば塩素とヨウ素)を有するベンゼンを基質として用いることで、
一段回目は弱い条件で酸化的付加が可能な位置でカップリングを行い、
二段回目は強い条件で酸化的付加が進行する位置でカップリングを行えば
非対称ターアリールを合成することができますね(式1)。
あるいは、学術領域での合成ならベンザインを利用する方法もありますね(式2)。
他にも、最近ではC-Hアリール化を用いる方法もありますね。
僕なりに思うC-H活性化型反応のすごい点はまた後日語ろうと思うので、
今日は割愛します。
さて、タイトルに述べた非対称オルト‐ターアリールの合成ですがけっこう難しいんですね。
この非対称オルト‐ターアリールを作れると、
これまでよりもっと多様なトリフェニレンの合成と
トリフェニレンを起点とする分子の合成が可能になり、
さらにはトリフェニレンを置換基として利用できるようになりますね。
やはり一番最初に浮かぶのはカップリング反応による合成でしょうか
異なる周期のハロゲン(例えば塩素とヨウ素)を有するベンゼンを基質として用いることで、
一段回目は弱い条件で酸化的付加が可能な位置でカップリングを行い、
二段回目は強い条件で酸化的付加が進行する位置でカップリングを行えば
非対称ターアリールを合成することができますね(式1)。
他にも、最近ではC-Hアリール化を用いる方法もありますね。
僕なりに思うC-H活性化型反応のすごい点はまた後日語ろうと思うので、
今日は割愛します。
さて、タイトルに述べた非対称オルト‐ターアリールの合成ですがけっこう難しいんですね。
この非対称オルト‐ターアリールを作れると、
これまでよりもっと多様なトリフェニレンの合成と
トリフェニレンを起点とする分子の合成が可能になり、
さらにはトリフェニレンを置換基として利用できるようになりますね。
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