著者: Federica De Nardi, Giulia Gorreta, Carolina Meazzo, Stefano Parisotto, Marco Blangetti, Cristina Prandi*
背景
1: 持続可能な合成へのパラダイムシフト
- 有機合成は、持続可能で環境に優しい手法へと大きく転換しています。
- この変化は、非従来型溶媒、特にイオン液体 (ILs) と深共晶溶媒 (DES) の研究に顕著です。
- 古典的なWittig 反応は、ホスホニウム塩をイリドの形成を介してオレフィンに変換する、有機合成の基礎となる反応です。
- 歴史的に従来の有機溶媒で行われてきましたが、ポリマー担持トリフェニルホスフィンや無溶媒条件、水などのより持続可能な条件への適応が模索されてきました。
- DESは、さまざまな化学プロセスにおいて、グリーンで調整可能な代替溶媒として有望視されています。
2: 未解決の課題
- Wittig反応における水の使用は、水に不溶または難溶な基質の課題があり、報告例も限定的です。
- Wittig反応の一般的な副生成物であるトリフェニルホスフィンオキシド (TPPO) の単離は、煩雑で費用がかかるカラムクロマトグラフィーを必要とし、大規模操作には不向きです。
- これまでTPPO除去には触媒的Wittig反応やLewis酸-TPPO付加物の形成などが提案されてきましたが、より効率的な解決策が求められています。
- 本研究では、深共晶溶媒 (DES) 中でのWittig反応の実現可能性を調査します。
- 特に、持続可能な方法論の観点から、未解決の課題を克服する新しいプロトコルの開発を目指します。
3: 研究の具体的な目的
- 本研究は、穏やかで再現性の高い反応条件の確立を目指します。
- カルボニル化合物およびホスホニウムパートナーの両方において幅広い基質適用範囲を確保します。
- 高い変換率と反応収率を達成することを目指します。
- 副生成物であるトリフェニルホスフィンオキシド (TPPO) の容易な除去方法を開発します。
- これらの取り組みを通じて、合成における深共晶溶媒の適用可能性を拡大し、グリーンケミストリーの原則に沿った高収率・高純度でのオレフィン化生成物の回収を可能にすることを目指します。
方法
1: 研究デザインとアプローチ
- 本研究は、深共晶溶媒 (DES) 中でのWittig反応の新しいプロトコルの開発と最適化を目指す合成化学研究です。
- ChCl/Gly 1:2 (mol/mol) を主要な溶媒として、置換ホスホニウム塩と(ヘテロ)芳香族およびアルキルカルボニル化合物のWittig反応を開発しました。
- 反応条件の最適化のため、様々な有機および無機塩基の効果を評価しました。
- 開発したプロトコルの汎用性を確認するため、幅広い基質(多様なアルデヒドとホスホニウム塩)に適用しました。
- 実用性を示すため、ホスホニウム塩 2 g (5 mmol) 規模へのスケールアップも検証しました。
- 最終的に、カラムクロマトグラフィーなしでTPPOを除去できる作業プロトコルの開発を目指しました。
2: 実験条件と使用試薬
- モデル反応: ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド (1a) と4-メトキシベンズアルデヒド (2a, 2当量) を使用しました。
- 溶媒: 主にコリンクロリド/グリセロール (ChCl/Gly) 1:2 (mol/mol) の深共晶混合物を使用しました。
- 反応条件: 室温 (25 °C) および空気下という穏やかな条件で反応を行いました。
- 塩基の選択: t-BuOK、NaOH、LiTMP、DBU、NaH、K2CO3、Na2CO3など、多様な有機および無機塩基を評価し、K2CO3が最適な塩基として選定されました。
- DESの選択: ChCl/H2O、ChCl/Urea、Gly/K2CO3、チモール/メントールなど、様々なユーステチック混合物を評価しました。
- 試薬比率: 高い収率を維持するための最適な組み合わせとして、塩基1.2当量、アルデヒド1.5当量が設定されました。
3: 評価項目と分析方法
- 生成物収率とジアステレオ選択性 (E/Z比) を主要な評価項目としました。
- これらの値は、内部標準としてn-ヘプタンを用いた定量的1H-NMR分析によって決定されました。
- 副生成物TPPOの除去効率も重要な評価項目でした。
- TPPOの除去効率は、ZnCl2との錯体形成後のろ過により、内部標準としてトリフェニルホスフィンを用いた定量的31P-NMR分析によって評価されました。
- プロトコルの実用性を確認するため、ホスホニウム塩 5 mmol (2 g) スケールでの反応も行われました。
- 反応溶媒の再利用性もテストされ、水蒸発によるDES再生後に新鮮な試薬を加えて再利用し、その収率を測定しました。
結果
1: 塩基と溶媒の最適化
- ChCl/Gly 1:2 (mol/mol) を溶媒とし、室温、空気下という穏やかな条件で、多様な塩基を用いた Wittig 反応が高効率で進行しました。
- t-BuOK、NaOH、DBU、K2CO3を含む多くの有機および無機塩基で、90%以上の優れた収率が達成されました (例: t-BuOK 97%、NaOH 95%、DBU 99%、K2CO3 92%)。
- ジアステレオ選択性は、半安定化イリドの場合に予想されるように、Z異性体がわずかに優勢でした (E/Z比 40:60~43:57)。
- Gly/K2CO3 6:1 の混合物(外部塩基なし)を50 °Cで使用した場合、ほぼ定量的収率 (99%) を示しました。
- 疎水性DES (チモール/メントール) や高酸性DES (ChCl/リンゴ酸) は効果が低いことが示されました。
2: 幅広い基質適用範囲
- 提案されたプロトコルは、様々な(ヘテロ)芳香族アルデヒドに適用可能であることが示されました。
- ハロゲン (I, Br, Cl)、電子供与基 (アルコキシ, メチル)、電子吸引基 (NO2, CF3) など、多様な置換基を持つアルデヒドが良好な収率で反応しました (例: メトキシ基 88-99%、ハロゲン化ベンズアルデヒド 74-95%)。
- ビニル、アルキニル、シクロアルキル、脂環式、およびα,β-不飽和アルデヒドも使用可能でした。
- 非常に求電子性の高いケトン、例えばトリフルオロメチルフェニルケトン (7b) は、良好な収率と高いE異性体へのジアステレオ選択性 (87:13) を示しました。
- ホスホニウム塩に関しても、非安定化、半安定化、および安定化イリドのいずれも Wittig オレフィン化生成物を形成することができました。
3: スケールアップとTPPO除去
- 本プロトコルは、ホスホニウム塩 2 g (5 mmol) スケールまでスケールアップ可能であることが確認され、良好な収率 (91%) で目的の Wittig 生成物 (3a) が得られました。
- 媒体の粘度を低減するため、少量の2-MeTHFを添加することで、スケールアップされた反応でも87%の優れた収率と48:52のE/Z比で生成物が得られました。
- ZnCl2を用いたTPPO除去プロトコルが開発され、TPPO:ZnCl2錯体のろ過により、最大92%のTPPO除去が達成されました。
- このTPPO除去方法は、追加のクロマトグラフィー精製なしで製品の単離を可能にし、グリーンケミストリーの原則に合致します。
- この方法論は、抗がん剤DMU-212の合成にも適用され、75%の収率と52:48のE/Z比で得られました。
考察
1: DESを用いたWittig反応の汎用性と効率性
- 本研究で開発されたDESを用いたWittig反応プロトコルは、室温、空気下という穏やかな条件下で高い効率と広範な基質適用性を示しました。
- 多様な有機および無機塩基、電子特性の異なるさまざまなアルデヒド、さらには非常に求電子性の高いケトンまで、このプロトコルで効率的に反応させることができました。
- この発見は、DESが有機合成におけるグリーンで調整可能な代替溶媒としての可能性をさらに裏付け、特に医薬品化学のような分野での応用を促進するものです。
- 非安定化、半安定化、安定化イリドのいずれも使用可能であることから、Wittig反応の「ツールボックス」をDES環境下で大幅に拡張できることが示されました。
2: TPPO除去の課題解決とスケールアップ
- Wittig反応の長年の課題であった副生成物TPPOの除去に対して、ZnCl2を用いた簡便かつ効率的なプロトコルを確立しました。
- この手法により、従来必須とされてきた高価で時間のかかるカラムクロマトグラフィーなしで、TPPOを最大92%除去し、高純度でオレフィン生成物を単離することが可能になりました。
- 本プロトコルは、ホスホニウム塩 2 g (5 mmol) スケールまで容易にスケールアップ可能であり、少量の2-MeTHFの添加が粘度の高い媒体での攪拌を助けることが示されました。
- これは、実験室規模だけでなく、より大規模な産業応用への Wittig 反応の適用可能性を大きく高め、グリーンケミストリーの原則に合致する持続可能な合成経路を提供します。
3: 先行研究との関連性
- 本研究は、非従来型溶媒(イオン液体、DES)を用いた持続可能な有機合成へのパラダイムシフトという、最近の合成化学の動向に貢献しています。
- 水溶性ホスホニウム塩や水中でセミ安定化イリドを用いる Wittig 反応の先行研究 [3, 4, 7, 8a] がある中で、本研究はDESという新たな反応媒体における Wittig 反応の幅広い可能性を実証しました。
- CapriatiらによるDESを用いた Horner-Wadsworth-Emmons 反応のスケーラブルな合成 と同様に、本研究の Wittig 反応の成功は、DESが多様なオレフィン化反応において有効な媒体であることを示唆しています。
- TPPO除去の課題に対しては、触媒的 Wittig 反応 やLewis酸-TPPO付加物の形成 など、様々な戦略が提案されてきました。本研究のZnCl2を用いた方法は、先行研究 [21, 22a] に着想を得ており、DES環境下での適用性を成功裏に示しました。
- 反応のジアステレオ選択性は、従来の条件下で予測されるE/Z比と一致しており、特に半安定化イリドでZ異性体が優勢であるという Robiette らの報告とも整合しています。
4: 実用化への貢献
- 抗がん剤DMU-212の合成への本方法論の適用は、DESを用いたWittig反応が、複雑な分子の効率的な構築、特に医薬品中間体の合成において実用的な手段となる可能性を示しています。
- カラムクロマトグラフィーを必要としないTPPO除去プロトコルは、精製ステップの時間とコストを大幅に削減し、合成プロセス全体の効率を向上させます。
- 穏やかな条件(室温、空気下)と幅広い基質適用性は、様々な合成経路においてDESが汎用性の高い「グリーンな」溶媒として利用できることを裏付けています。
- この研究は、有機合成におけるネオテリック溶媒の利用拡大に貢献し、環境負荷の低い合成プロセスの設計を可能にするものです。
5: 研究の限界
- モデル反応において溶媒の再利用を試みましたが、2回の追加反応で生成物3aの収率がそれぞれ47%、20%に低下しました。これらの結果の理解とリサイクル性改善のためのさらなる調査が必要です。
- 特定のDES、特に疎水性のチモール/メントールや高酸性のChCl/リンゴ酸は、Wittig反応の溶媒として効果的ではありませんでした。
- ケトンについては、非常に求電子性の高いものを除き、この条件下での反応性は低いという限界がありました。
- クロロメチル、メチルホルミル、メチルトリフェニルホスホニウム塩など、一部のホスホニウム塩では収率が低い結果となりました。
- また、ピロール誘導体 (3r) の合成では低い収率 (34%) でしか得られませんでした。
結論
- 本研究により、深共晶溶媒 (DES) を用いたWittig反応の、スケーラブルで環境に優しいプロトコルが確立されました。
- 室温、空気下という穏やかな条件で、多様な有機および無機塩基、そして広範なアルデヒドおよびホスホニウム塩に対して高効率な反応が実証されました。
- ZnCl2を用いたTPPO除去プロトコルの開発は、高価で時間のかかるクロマトグラフィー精製なしに、高収率・高純度でオレフィン化生成物を回収できる画期的な方法であり、グリーンケミストリーの原則に深く貢献します。
将来の展望
- このプロトコルは 2 gスケールまで拡張可能であり、抗がん剤DMU-212の合成にも成功したことから、医薬品製造を含む実用的な応用への大きな可能性を示しています。
- 溶媒再利用性のさらなる改善、低反応性ケトンや特定のホスホニウム塩への適用拡大、および他のグリーン溶媒との比較を通じて、DESの「ツールボックス」をさらに広げることが期待されます。
TAKE HOME QUIZ
Wittig反応におけるイリドには、非安定化イリド、半安定化イリド、安定化イリドの3種類があります。これらのイリドの電子的な性質が、生成するオレフィンのE/Zジアステレオ選択性にどのように影響すると考えられますか?論文の結果(半安定化イリドでのZ異性体優勢、安定化イリドでのE異性体優勢)と従来のWittig反応のメカニズムを関連付けて説明してください。
本研究ではChCl/Gly 1:2 (mol/mol) が主要なDESとして使用されました。このDESが、Wittig反応の溶媒としてどのような化学的特性(例:水素結合供与体と受容体の役割、粘度など)を有していると考えられますか?また、ChCl/H2OやChCl/Ureaなどの他のDESが低い収率を示した理由、あるいは疎水性DES(チモール/メンソール)や高酸性DES(ChCl/リンゴ酸)が非効率的であった理由を、DESの組成とWittig反応のメカニズムの観点から考察してください。
本プロトコルでは、一般的にケトンは反応性が低いとされていますが、「非常に求電子性の高いケトン」、例えばトリフルオロメチルフェニルケトンは良好な収率で反応しました。この結果は、Wittigイリドの求核性またはDES環境下でのケトンの反応性に関して、どのような化学的洞察を与えますか?
副生成物であるトリフェニルホスフィンオキシド (TPPO) の除去にZnCl2が錯体形成剤として用いられました。TPPOとZnCl2はどのように相互作用して錯体を形成すると考えられますか?この錯体形成が、従来のクロマトグラフィー精製に比べて、高収率でオレフィンを単離する上でなぜ有利なのでしょうか?
2g (5 mmol) スケールへのスケールアップの際に、反応混合物の粘度を克服するために少量の2-MeTHFが添加されました。DESの粘度の高さは、大規模な合成においてどのような問題を引き起こす可能性がありますか?また、2-MeTHFの添加が粘度低減に貢献する化学的・物理的原理を説明してください。
解答
- Wittig反応におけるイリドの電子的な性質は、生成するオレフィンのE/Zジアステレオ選択性に影響を与えます。論文によると、このジアステレオ選択性は従来の条件下で予測されるE/Z比と完全に一致しています。非安定化イリドと半安定化イリドの場合、低い選択性でZ異性体がわずかに優勢であることが観察されました。例えば、モデル反応で使用された半安定化イリドでは、Z異性体が42:58から43:57の比率でわずかに優勢でした。一方、安定化イリドの場合、E異性体への高い選択性が観察されました。論文では、安定化イリドを用いた場合に「E異性体への完全な立体制御」が達成され、「DES媒体は予測された立体選択性に影響を与えない」ことが確認されています。これは、安定化イリドでは熱力学的支配により安定なE異性体が生成しやすく、非安定化・半安定化イリドでは反応速度論的支配によりZ異性体が生成しやすいという、従来のWittig反応のメカニズムに沿った結果です。
- 本研究で主要なDESとして使用されたChCl/Gly 1:2 (mol/mol) は、コリンクロリド (ChCl) という第四級アンモニウム塩と、グリセロール (Gly) という中性の水素結合供与体を特定のモル比で混合したものです。このDESは、Wittig反応の溶媒として、穏やかな条件(室温、空気下)で高い効率を示しました。ChCl/Glyは、水素結合ネットワークを通じて特有の極性と粘度を持ち、反応物(ホスホニウム塩やアルデヒド)を溶解させ、イリド形成やその後の反応を促進するのに適した微環境を提供すると考えられます。ChCl/H2O 1:2 および ChCl/Urea 1:2 が低い収率を示した理由としては、水や尿素が水素結合供与体として機能する一方で、イリドの反応性を阻害したり、副反応を引き起こしたりする可能性が考えられます。特に水はWittig反応の副生成物TPPOの加水分解など、特定の条件下で反応に影響を与える可能性があります。疎水性DES(チモール/メンソール) や 高酸性DES(ChCl/リンゴ酸) が非効率的であった理由としては、以下の点が推測されます。
- 疎水性DES: イリドは通常極性が高いため、疎水性環境では溶解度や反応性が低下する可能性があります。
- 高酸性DES: Wittig反応におけるイリドは強い塩基によって生成される求核種であり、酸性環境下ではプロトン化されて失活し、反応が進行しなくなるため、効率が低下したと考えられます。
- 本プロトコルでは一般的にケトンは反応性が低いとされていますが、「非常に求電子性の高いケトン」であるトリフルオロメチルフェニルケトン (7b) は、良好な収率と高いE異性体選択性(87:13)で反応しました。この結果は、Wittigイリドの求核攻撃がケトンのカルボニル炭素の求電子性に強く依存していることを示唆しています。トリフルオロメチル基(-CF3)のような強い電子吸引基が存在することで、カルボニル炭素の正電荷が増大し、イリドからの求核攻撃が促進されます。このことから、DES環境下においても、Wittig反応の基本的な反応性原理、すなわちイリドの求核性とカルボニル化合物の求電子性のバランスが重要であることが示されています。イリドの求核性が十分であっても、ケトン側の求電子性が低い場合は反応が遅いか進行しにくいことを示唆しており、DESが反応媒体であっても、基質の電子的性質が反応性に与える影響は、従来の有機溶媒の場合と同様に支配的であるという洞察を与えます。
- 副生成物であるトリフェニルホスフィンオキシド (TPPO) の除去にはZnCl2が錯体形成剤として用いられました。TPPOの酸素原子はルイス塩基性を示し、ZnCl2はルイス酸として機能するため、TPPOの酸素原子がZnCl2の亜鉛原子と配位結合を形成し、安定な付加物(錯体)を生成すると考えられます。この錯体は反応混合物からろ過によって容易に分離できる固体として沈殿します。
- 2g (5 mmol) スケールへのスケールアップの際に、反応混合物の粘度を克服するために少量の2-MeTHFが添加されました。DESは、その水素結合ネットワーク構造により、一般的に粘度が高いという特性を持っています。DESの粘度の高さは、大規模な合成において以下のような問題を引き起こす可能性があります。
- 攪拌効率の低下: 高粘度のため反応混合物の均一な攪拌が困難になり、反応効率が低下したり、部分的な過熱が生じたりする可能性があります。
- 熱・物質移動の阻害: 粘度が高いと、反応物や生成物の拡散速度が遅くなり、物質移動が律速段階となることで、反応速度が低下したり、反応温度の制御が難しくなったりします。
- 不均一な反応: 試薬が均一に分散せず、局所的に反応が進んでしまうことで、選択性の低下や副生成物の増加につながる可能性があります。
- 製品回収の困難さ: 高粘度な媒体から製品を分離・回収するプロセス(例:ろ過、抽出)が複雑化し、効率が低下する可能性があります。
2-MeTHFのような有機溶媒はDESの水素結合ネットワークを希釈または部分的に破壊し、全体的な流動性を向上させる効果があります。これにより、混合物の粘度が低下し、攪拌が容易になることで、大規模な反応でも効率的な物質移動と均一な反応環境が維持されやすくなります。
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