2017年1月8日日曜日

Prof. Ian Mannersについてのこととリンクの追加について

タイトルにもあるように今日は、Manners教授についての話をします。

なぜ彼の話をするのかと言いますと、特にここ数年、彼は毎年Science・Nature・JACS・ACIEに論文をバンバン出しまくっているのです(論文リスト)。どういうネタでScienceやNatureに論文を投稿しているかといいますと、典型元素化学・触媒化学・ポリマー合成・ポリマー・自己組織化・材料科学などですね。いわゆる入口から出口まできっちりと科学をやっているんですね。

彼の出自は、まず初めにProf. Neil G. Connellyのところでorganotransition metal radicals(有機遷移金属ラジカル)についての研究で博士号を取得します。ちなみにConnelly教授の総説Chemical Redox Agents for Organometallic Chemistry にお世話になったという人は多いのではないでしょうか。
その後、ポスドクとしてProf. H. R. Allcockの下でpolyphosphazenes、Prof. P. Paetzoldの下でiminoboranesについての研究を行い、今の研究につながっているものと思われます。

で、今回ホームページにリンクの追加を行ったわけですが、某典型元素化学についての学会に僕が参加して思ったのは、著名な教授に直接会えてよかった規模小さくね?です。周期表にはたくさんの典型元素があるのに!単純な分野に逃げてるんじゃないですか?(煽り)
とまぁ、虚空に文句を放ってもしゃーないし、やることやってから文句垂れろって空耳が聞こえるので、やれるだけのことをやろうと思います。というわけで、原因はそれとは別に、典型元素化学について勉強しようとすると日本語で解説とかしてるページ少ないっていうのが、結構大きな問題だと思うわけです。まぁ、洋書買って英語で勉強しろってのも一理あるんですが、馬の耳に念仏で、

典型元素化学が面白い分野で深く広く化学について学べてしかも実社会の役に立つんだ!

っていうことを大声で主張しないといけないと思うわけで、やれるだけのことをやってみます。

2017年1月2日月曜日

時短のためにやっていること

時短って大事ですよね。

一日って長いようで短いですし、
ボスからのプレッシャーとかもありますし、
一ヶ月って長いようで短いですし、
ボスからのプレッシャーとかもありますし、
一年って長いようで短いですし、
ボスからのプレッシャーとかもありますし、
ドラマの再放送を見たい日に限って
ボスからのプレッシャーとかがありますし

そんなわけで、やっぱり末端の駒たる我々にとって
自分の時間を確保するためには、時短が大事です。

そこで、普段私が時短のために行っていることを、
思い付く限り書き連ねていこうと思います。

あくまで、時短をやるのはボスのためでもラボのためでもなく、自分の時間を確保するためにやるものです。
誰かのための時短は自分の首を絞めるだけです。

反応準備編
まず、一番大事なのはちょっとした時間に机の上を常にきれいにしておくことだと思います。
結局のところ、準備段階でコードがひっかかってなにかが倒れたり、あるいはガラス器具を割ってその後処理をする事になると、時間が減る上にモチベーションも下がります。
また、それと関連して、試薬の整理(場所の把握)とコードをねじりっこで束ねておくこと等も時短に繋がります。

反応の準備としては、反応容器、撹拌子、クランプ、スターラー、蛇腹、試薬、薬包紙、(紙)ろうとなどがあります。
言うまでもなく、反応容器と撹拌子は当然前日に準備できるならすべきですし、クランプやスターラーと蛇腹の位置も確定できるならしておくべきですね。(まぁヒートガン派閥の人もいますが)
薬包紙と紙ろうとに関してですが、薬包紙折るくらいなら良いですが紙ろうとなどは大量生産してTLCと同様に筒状の容器にストックしておくのが良いです。
要は、朝の作業を試薬を量って入れるだけにしておくと、低血圧で朝は本当になにもしたくない気持ちが強い自分でも朝から反応を仕込むことができてます。

反応中
精製の準備や先の紙ろう斗の量産やデータ整理などのタスク処理か、仮眠をとる。
タスク処理はまだしも、仮眠が時短というのには疑問を持たれるかもしれませんが、反応後の後処理と精製は最も体力を消費します。
つまりは仮眠というインベストメントなのです。

反応後
小スケールでは,TLCで分離条件が確定しているならまぶし法で分けるのが手っ取り早いと思います。
しかし,小スケール以外ではカラムは極力回避したいです。
カラムそのものにかかる時間もさることながら,大量の溶媒の濃縮や留去にかかる時間もばかにならないので,急がば回れで小スケールで単離した化合物の溶解度を調べておいて,再結晶や洗浄で精製したいところです。

合成に関連する作業に関して,昨年を振り返って思った時短のためにやっていることはこれくらいですかね。
他にもあるかもしれませんが,そのときはまたその2として書き連ねたいと思います。


2016年5月1日日曜日

【有機単結晶の作り方】〜その2〜

お久しぶりです。


前回の最後に、「自分なりのノウハウや特殊なやり方を紹介しようと思います。」と言ったきりで、
長らく更新しないままずいぶんと日が経ってしまいましたね。


早速ですが、自分なりのノウハウの部分についてまずは解説しようと思います。
有機単結晶を得るための再結晶でよく問題になるのが、
・綿状もしくは、もやがかかったようにしかならない
・(結晶性は良いが)針状の結晶しか析出しない
の2点かと思います(他にも特殊なケースは存在するかと存じますが)。

それで筆者のケーススタディについて話す前に少しばかり語ります。
(ここからは筆者の妄想ですので、飛ばしていただいても結構です)

はじめに、化学熱力学を思い出してください
「ギブズ自由エネルギーGの変化が負であれば化学反応は自発的に起こる。」
エンタルピーH、温度T、エントロピーSとして
G=H-TS
で表される例のあの式ですね。

結晶化という現象はエントロピーが減少しているにもかかわらず、
自発的に反応が進行しているわけです。

すなわち、結晶化は分子間の結合の組み代わりを伴わない発熱反応なのです。





以上を踏まえてまず、
「綿状もしくは、もやがかかったようにしかならない」についてですが、
これの原因は筆者の経験上、
析出速度が速すぎるか分子間で複数の相互作用が競合しているかのどちらかだと考えています。
前者は単純に溶媒量や温度変化をコントロールすれば解決できることが多いです。

最近、知人から教えてもらった気相拡散法の析出速度のコントロール手段として、
サンプルを溶かしたバイアルを入れた容器を、シリカゲルを入れたバイアルの中に入れるという手法があります。
これは単一溶媒からの析出速度を温度やふたに開ける穴の大きさなどという再現性の低いものではなく、
秤量できるシリカゲルの量で操れるので筆者としては使えるという印象です。

上記の方法や溶媒量や温度変化でも、綿状もしくはもやがかかったようにしかならない場合、
分子間で複数の置換基の相互作用が競合しているために分子が整列しないのとだと考えます。

なので、官能基を変換できるなら変換してから再検討すべきですが、
どうしてもこれでしかやるしかないという時もあります。

そんなときは、はっきり言って半分根性論です。
参考になるかわかりませんが、
筆者のケースでは、わざとDABCOを混ぜることでDABCOと目的化合物の混合物として単結晶を得たこともあります。
こればかりは分子によって官能基の種類や数はまちまちですし、
筆者も未だ法則化できるほどのノウハウはありません。
とことん自分の合成した分子の気持ちになってください。

固体として溶液から析出してくる限り、一歩ずつ進めば必ず単結晶は得られると筆者は信じています。
必ず検討した条件(溶媒の種類と量、温度、時間)と析出の度合い(綿やもやの状態と濃さ、場所)など
記録できることはすべてを必ず記録してください。
そのうち、その分子の気持ちがわかってきます(笑)
あと、できるなら条件とともに写真を撮っておくほうがいいです。

また、実は結晶が析出していたのに見逃していたなんてことのないように
(無色の結晶は、屈折率の関係でものすごく見えにくい場合があります)
必ずよく確認してください。





次に、「針状の結晶しか析出しないケース」についてですが、
これはいわゆる結晶性が良い(多環芳香族)化合物などの結晶化の際に
問題になります。
ここで考えるべきは、何が原因で針状に結晶化してしまっているのかということです。

芳香族分子が針状に結晶化するケースの原因は、
分子間のπ-πの相互作用が強いことだと容易に想像できます。

このようなケースでは析出速度を溶媒量や温度変化でコントロールすることで解決できることもありますが、
難しいケースでは析出速度を変化させてもあまり効果がないというのが筆者の印象です。

そこで筆者の解決法としては、極性溶媒を使って分子間でπ-πの相互作用がしにくくなるもしくはそれよりも強い相互作用の環境下で析出させます。

よく使うのは二硫化炭素か、NMPやDMFなどの非プロトン性極性溶媒です。
ただ、二硫化炭素は結晶溶媒として取り込まれやすく、またディスオーダーするので
最終手段としての使用をお勧めします。
極性溶媒への溶解度が乏しいケースではODCBに溶かして、
貧溶媒として沸点の軽いエーテルやカルボニル系の溶媒を使用する方法です。



以上、あまり役に立つような中身のある話の少ない【有機単結晶の作り方】〜その2〜 】でした。

それではまた


2015年12月28日月曜日

ベンゾフェノン

 最近、ある目的の合成のモデルケースとして、式1のような計画で原料合成をやってみたのですが、一段階目の反応は室温では、求核攻撃は1当量分のみ進行し、加温すると2当量分の反応が進行し、3当量分の反応は確認されませんでした。本当は、wittig反応の前に、1段階目の反応の高い選択性の時点で思い至るべきだったのでしょうが、wittig反応はリンイリドの調製ができていることのみが確認でき、肝心の反応は進行しませんでした。まんまと落とし穴にハマったわけです。フラスコの妖精は、私の醜態を見てさぞ笑ったことでしょう。

 残念ながら、wittig反応が進行しなかったので、現在は式2のように経路を変更して反応を試みていますが、メチルリチウムの付加反応も加熱しなくては反応が進行しませんでした。なので、反応が進行しなかったのは立体的な要因ではなく、電子的な要因ではないかと推測しています。

勘の鋭い方はお気づきでしょうが、実はwittig反応がうまくいかなかった時点で、この経路はものすごく無駄の多い経路になっているのです。脱離反応でアルケンを作るなら、式3の経路で市販品からワンポットで作れるのです。

なぜ、最初から式3の経路で反応を行わなかったのかと言いますと、実は筆者は生まれてこの方wittig反応をやったことがなかったので、wittig反応をやってみたかったんです。しかしながら、式2の原料を大スケールで持ち上げてしまった今となっては後の祭りです。フラスコの妖精は、私の醜態に笑いが止まらないことでしょう。

最後に一言
エウレカセブンのドミニク君の言葉を引用しておきます。


「私情の何がいけない!?〝俗物〟だと呼んでもらってかまわない!」

2015年9月6日日曜日

有機テキスト化学

こういうのってもうすでに誰かやってらっしゃるんでしょうかね
その場合は、くだらない二番煎じとしておとなしく記事を削除しようかと思います。
文献調査が甘くてすいません。

で、早速なんですが、特にChemdrawが使えなくて必要に迫られたというわけではないのですが

テキストだけでどこまで化学を表現できるのだろうかと思って
とりあえず思いついた分だけ作成してみたので、
ご査収のほど、よろしくお願いします。

- エタン(ethane) /\ プロパン(propane) /\/ ブタン(butane) /\/\ ペンタン(pentane)
\/\/\ ヘキサン(hexane) /\/\/\ ヘプタン(heptane) \/\/\/\ オクタン(octane)
/\/\/\/\ ノナン(nonane) \/\/\/\/\ デカン(decane)
\/\/\/\/\/\/\/\/\/\ C20H42 イコサン(icosane) \/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\ C30H62 トリアコンタン(triacontane)
\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\/\ C100H202 ヘクタン(hectane)

= エテン(ethene) or エチレン(ethylene) H―≡―H エチン(ethyne) or アセチレン(acetylene)

△ シクロプロパン(cyclopropane) □ シクロブタン(cyclobutane)
<二> シクロヘキサン(cyclohexane)
Me―<二> メチルシクロヘキサン(methylcyclohexane)
Me―<二>―Me 1,4-ジメチルシクロヘキサン(1,4-dimethylcyclohexane)
HO―<二> シクロヘキサノール(cyclohexanol)
HS―<二> シクロヘキサンチオール(cyclohexanethiol)
<二>―<二> ビシクロヘキシル(bicyclohexyl)
>=< 2,3-ジメチル-2-ブテン(2,3-Dimethyl-2-butene)

O=< ケトン(ketone)
O=<二> シクロヘキサノン(cyclohexanone)