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2025年10月4日土曜日

Catch Key Points of a Paper ~0253~

論文のタイトル: A Dendralenic C–H Acid(デンドラレン型C–H酸の開発)

著者: Denis Höfler, Richard Goddard, Nils Nöthling, Benjamin List*

雑誌名: SYNLETT 
巻: Volume 14, Issue 04, pages 433-436
出版年: 2019
DOI: https://doi.org/10.1055/s-0037-1612246


背景

1: 強力なC–H酸への探求

  • C–H酸のユニークな利点: 従来のN–H酸やO–H酸に比べ、炭素は原子価が高いため、より多くの電子求引基 (EWG) を導入できる可能性がある。
  • 酸性度と電子求引基: 酸性度は、分子に含まれる電子求引基の数に直接相関することが示唆されている。
  • 既知の強力なC–H酸:
    • トリス(トリフリル)メタン (1) は非常に強力で、BrønstedおよびLewis酸触媒として高い活性を示す。
    • 1,1,3,3-テトラトリフリルプロペン (TTP) は、優れた酸性度と触媒活性を持つアリル型C–H酸である。
  • さらなる酸性度向上の必要性: これらの強力な酸を超え、さらに多くのEWGを導入できる新しい骨格が求められている。

2: 研究の動機と課題

  • 既存C–H酸の構造的限界: 現在知られている最強のC–H酸でも、導入できるEWGの数には限界がある。
  • 高共役系への着目: トリエン誘導体やデンドラレン骨格は、より多くのEWGを効率的に配置し、酸性度を最大化する可能性を秘めている。
  • 研究のギャップ: これらの高共役骨格を持つC–H酸の合成と特性評価は、まだ十分に研究されていない。
  • 本研究の目的: トリエン誘導体の一つであるデンドラレン骨格に着目し、これまでで最も強力なC–H酸の一つとなりうる新規化合物の設計と合成を行うこと。

3: 研究の具体的な目的

  • HTBTの設計と合成:
    • トリス(ビス(トリフリル)ビニル)メタン (HTBT) という新規なデンドラレン型C–H酸を設計。
    • そのアニオン (TBT) は、負電荷が6つのトリフリル基にわたって高度に非局在化し、超強力な酸性度を発揮すると予想される。
  • 構造解析による検証: 合成したHTBTおよびその塩の単結晶X線構造解析を行い、提案された構造が正しいことを確認する。
  • Brønsted酸触媒能の評価: 合成したHTBTが、実際の有機反応において強力なBrønsted酸触媒として機能するかを評価する。
  • アニオンの配位性評価: 生成したTBTアニオンが、弱い配位性アニオン (WCA) として機能するかどうかを、既知のWCAと比較して検証する。

方法

1: 研究デザインと全体のアプローチ

  • 研究デザイン: 新規デンドラレン型C–H酸HTBTの多段階合成、構造解析、および触媒機能の評価を組み合わせた実験研究。
  • 合成戦略: トリホルミルメタンとビス(トリフリル)メタンのKnoevenagel型縮合反応を鍵反応とする経路を採用した。
  • 主要な合成ステップ:
    • HTBTのTMP塩 (HTMP·TBT) の合成。
    • HTMP·TBTから遊離酸HTBTへの変換。
    • HTBTのBrønsted酸触媒能の評価とエーテラート塩への変換。
  • 特性評価手法: NMR分光法 (1H, 13C, 19F) と単結晶X線構造解析を主要な評価ツールとして使用した。
  • 触媒性能評価: 既知のBrønsted酸触媒反応であるフリーデル・クラフツアシル化反応を用いて、HTBTの触媒活性を評価した。

2: HTMP·TBT塩の合成と初期精製

  • 主要反応物: ビス(トリフリル)メタン (6.0当量) とトリホルミルメタン (1.0当量) を出発原料とした。
  • 反応条件:
    • ジクロロメタン (CH2Cl2) 溶媒中、低温 (-78 °C) から室温で反応させた。
    • 無水酢酸 (16当量) とトリメチルオルトアセタート (4.0当量) を添加し、Knoevenagel型縮合を促進した。
  • TMP処理: 反応混合物を濃縮後、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン (TMP, 6.0当量) を加えてHTMP·TBT塩を形成させた。
  • 精製: 有機溶媒抽出、酸性水溶液での洗浄、および再結晶化を繰り返すことで精製を行い、5.8%の収率でHTMP·TBT塩を得た。
  • 構造決定: 得られたHTMP·TBT塩の構造は、1H, 13C, 19F NMRスペクトルと単結晶X線構造解析により確認された。

3: 遊離酸HTBTの合成と安定性評価

  • HTBTの生成: HTMP·TBT塩を濃硫酸で処理することにより、遊離のC–H酸であるHTBTを合成した。
  • 不安定性の問題: 生成したHTBTは、室温および−25 °Cで安定性が非常に低いことが判明し、分解が観察された。そのため、正確な単離収率を決定することはできなかった。
  • 構造解析:
    • NMRスペクトルおよび単結晶X線構造解析により、酸性プロトンが中央の炭素原子ではなく、2つのトリフリル基の間に位置することが確認された。
    • この結果から、HTBTは交差共役デンドラレン型C–H酸として特徴づけられた。
  • 安定性評価: NMR測定を繰り返し行い、HTBTの分解速度を観察したところ、3日後にはほとんどのシグナルが消失していた。

4: Brønsted酸触媒能とアニオンの配位性評価

  • 触媒活性の評価: 新鮮に調製したHTBTを、弱反応性のクロロベンゼンとp-フルオロベンゾイルクロリドのフリーデル・クラフツアシル化反応に適用し、そのBrønsted酸触媒能を評価した。
    • 触媒使用量は5 mol%とした。
  • エーテラート塩の合成: HTBTがエーテルをプロトン化できるかを確認するため、過剰量のジエチルエーテル (Et2O) をHTBTに添加し、エーテラート塩の形成を試みた。
  • エーテラート塩の構造解析:
    • 得られたエーテラート塩の単結晶X線構造解析を行い、TBTアニオンの構造と、オキソニウムプロトンの配位様式を詳細に分析した。
    • この結果を、既知のBArFエーテラート ([B(C6F5)4]−[H(OEt2)2]+) と比較し、TBTアニオンの配位性を評価した。

結果

1: HTMP·TBT塩の合成と構造的特徴

  • HTMP·TBTの合成収率: トリホルミルメタンとビス(トリフリル)メタンからの合成により、5.8%の収率でHTMP·TBT塩が得られた。
  • 結晶構造解析 (HTMP·TBT):
    • HTMPカチオンは、溶媒として導入された水分子と優先的に水素結合を形成した (N…O距離: 2.780(4) Å)。
    • TBTアニオンとのN…O距離は2.971(3) Åであり、水分子との距離よりも長かった。
    • TBTアニオンは、わずかに非平面なキラル配座をとることが確認された。
    • ビニル水素原子とスルホニル酸素原子間の短い接触が、この非平面性の原因である可能性が示唆された。
    • 中央炭素原子周りには局所的なC3対称性が見られたが、アニオン全体としてはC3対称性は観察されなかった。
  • NMRスペクトル: 1H, 13C, 19F NMRスペクトルにより、合成された化合物の構造が確認された。

2: 遊離酸HTBTの不安定性と触媒活性

  • HTBTの単離とプロトン位置:
    • HTMP·TBT塩を濃硫酸で処理することで、遊離のC–H酸HTBTが生成された。
    • NMRおよび単結晶構造解析により、酸性プロトンは中央炭素原子ではなく、2つのトリフリル基の間に位置し、HTBTが交差共役デンドラレン型C–H酸であることが確認された。
  • HTBTの安定性: HTBTは、室温および−25 °Cで非常に不安定であり、経時的な分解が観察された。
    • NMRスペクトルでは、3日後にはHTBTに由来するシグナルが消失した。このため、正確な単離収率は決定できなかった。
  • Brønsted酸触媒活性:
    • HTBTは、クロロベンゼンとp-フルオロベンゾイルクロリドのフリーデル・クラフツアシル化反応においてBrønsted酸触媒として機能した。
    • しかし、収率は27%にとどまり、既報の強力なC–H酸TTPが与えた59%の収率と比較して低かった。触媒の分解も観察された。

3: TBTアニオンの配位性と非配位性分類

  • エーテラート塩の形成: HTBTを過剰なジエチルエーテルと反応させることで、TBT·H(OEt2)2エーテラート塩が形成された。これはHTBTの強力な酸性度を裏付ける。
  • エーテラート塩の結晶構造:
    • 単結晶X線構造解析により、TBTアニオンはHTMP·TBT塩と同様に、理想的なC3対称性も平面構造もとらないことが再確認された。
    • オキソニウムプロトンは、TBTアニオンのトリフリル酸素原子ではなく、第2のエーテル分子の酸素原子に配位する傾向を示した。
  • 非配位性アニオンとの比較:
    • エーテラートカチオン中の2つのエーテル酸素原子間の平均距離は2.444 Åであった。
    • この距離は、代表的な弱い配位性アニオンであるBArFに基づくエーテラート ([B(C6F5)4]−[H(OEt2)2]+) の酸素原子間距離2.445 Åとほぼ同一であった。
    • この類似性から、TBTアニオンはC–H酸に基づく弱い配位性アニオンとして分類できる可能性が強く示唆された。

考察

    1: HTBTの設計と構造的特徴に関する考察

    • デンドラレン骨格の成功と構造的制約:
      • 多くの電子求引基 (トリフリル基) を導入したデンドラレン型C–H酸HTBTの合成に成功し、超強力酸設計の可能性を示した。
      • しかし、結晶構造解析により、HTBTの酸性プロトンは中央炭素ではなく2つのトリフリル基間に位置し、TBTアニオンは設計上のC3対称性や平面構造ではなく、非平面なキラル配座をとることが明らかになった。
    • 非平面性の原因: この非平面性は、ビニル水素原子とスルホニル酸素原子間の短い接触に起因すると推測される。
    • 負電荷の非局在化: TBTアニオンにおける負電荷の6つのトリフリル基への高度な非局在化は、設計通りに実現され、高い酸性度を裏付ける。

    2: HTBTの触媒活性と不安定性の課題

    • Brønsted酸触媒活性の確認: HTBTは、弱反応性のクロロベンゼンを用いたフリーデル・クラフツアシル化反応を触媒することができ、その強力なBrønsted酸性度を実証した。
    • 安定性不足による性能への影響: HTBTの室温および低温での低い安定性は、触媒分解を招き、既報のTTPと比較して低い収率に繋がったと考えられる。
    • 実用化への課題: HTBTの不安定性は、触媒としての実用的な応用に向けた最大の課題である。
    • 安定性向上の可能性: 分解経路である求核攻撃を防ぐために、非配位性かつ非極性溶媒中での安定性向上が期待されるが、現状ではHTBTを溶解できる適切な溶媒系は見つかっていない。

    3: TBTアニオンの非配位性と新しい概念

    • エーテルプロトン化による酸性度の証明: HTBTがエーテルをプロトン化しエーテラート塩を形成したことは、その非常に強い酸性度を明確に示している。
    • プロトン配位様式の特異性: オキソニウムプロトンがTBTアニオンのトリフリル酸素原子ではなく、第2のエーテル分子の酸素原子に配位するという発見は極めて重要である。これは、TBTアニオンがプロトンに対して非常に弱い配位性を持つことを強く示唆する。
    • BArFエーテラートとの類似性: エーテラートカチオン中の酸素原子間距離が、代表的な弱い配位性アニオンであるBArFのエーテラートとほぼ同一であったことは、TBTアニオンがC–H酸に基づく弱い配位性アニオンとして分類できる根拠となる。
    • 有機合成への新たな展望: この新しいタイプの非配位性アニオンの発見は、今後の超強力酸触媒やイオン性液体設計において、新たなアニオン骨格の可能性を拓くものである。

    4: 先行研究との関連と位置づけ

    • 高酸性度C–H酸の基礎: 本研究は、電子求引基の数とC–H酸の酸性度が相関するというこれまでの知見 (例: トリス(トリフリル)メタン、TTP) に基づいており、この概念をさらに高度な骨格で拡張したものである。
    • 合成手法の適用: 合成中間体であるトリホルミルメタンは、Yanaiらが開発したビス(トリフリル)メタンとアルデヒドのKnoevenagel型縮合反応を応用して合成された。
    • 非配位性アニオン研究との接点: TBTアニオンの弱い配位性を示すためのBArFエーテラートとの比較は、非配位性アニオンに関する既存の広範な研究 (Ref. 12) に直接関連し、C–H酸由来のアニオンがこの分野に貢献しうることを示唆する。
    • デンドラレン骨格の応用: フルオレンやジベンゾフルオレンをベースとした炭化水素系C–H酸の研究 (Kuhnら, Ref. 3) と同様に、デンドラレン骨格も強力なC–H酸骨格としての可能性を持つことが示された。

    5: 研究の限界点

    • HTBTの低安定性: HTBTは室温および低温で非常に不安定であり、分解が速く、単離収率を正確に決定できなかったことが最大の限界点である。これは、触媒としての実用的な利用を大きく制限する。
    • 適切な溶媒系の欠如: HTBTを安定的に溶解できる非配位性かつ非極性溶媒が未だ見つかっていない。これにより、安定性向上やさらなる反応性評価が困難となっている。
    • 既存触媒に対する性能劣位: フリーデル・クラフツアシル化反応において、HTBTは既報のTTPよりも低い触媒収率しか得られなかった。これは、単に不安定性だけでなく、触媒としての活性サイトの最適化や反応条件の検討が必要であることを示唆している。
    • TBTアニオンの非理想的構造: TBTアニオンが、設計目標であった理想的なC3対称性や平面構造をとらなかったこと は、理論と実際とのギャップを示しており、この構造的特性が酸性度や安定性に与える影響について、さらなる詳細な考察が求められる。

    結論

    • 新規デンドラレン型C–H酸HTBTの合成: 高度にトリフリル基が置換された交差共役デンドラレン型C–H酸HTBTの設計と合成に成功した。
    • TBTアニオンの非平面構造: 結晶構造解析により、HTBTおよびそのアニオンTBTが非平面でキラルな配座をとることが明らかになった。
    • Brønsted酸触媒活性: HTBTは低い安定性にもかかわらず、フリーデル・クラフツアシル化反応のBrønsted酸触媒として機能することが示された。
    • 弱い配位性アニオンとしての可能性: TBTアニオンは、その構造的特徴から、C–H酸に基づく新しいタイプの弱い配位性アニオンとして分類できる可能性が示唆された。

    将来の展望

                                        • 超強力酸化学への貢献: 本研究は、高度に共役したデンドラレン骨格が超強力なC–H酸の基礎となりうることを示し、新しい酸性度設計の概念を提示した。
                                        • 新しい非配位性アニオンの創出: TBTアニオンの弱い配位性は、今後の触媒設計やイオン性液体開発において、従来の非配位性アニオンに代わる新たな選択肢を提供する。
                                        • 実践への提言: HTBTの安定性向上のための溶媒系や構造修飾のさらなる探求は不可欠である。
                                        • 将来の研究方向: TBTアニオンの非配位性メカニズムのより詳細な解明と、より広範なBrønsted酸触媒反応への応用可能性の検討が期待される。

                                        用語集

                                        • C–H酸 (C–H Acid): 炭素-水素結合からプロトン (H+)  が容易に解離する性質を持つ化合物の総称。
                                        • デンドラレン型C–H酸 (Dendralenic C–H Acid): デンドラレンと呼ばれる分岐状の共役炭化水素骨格を持つC–H酸。
                                        • 電子求引基 (Electron-Withdrawing Group, EWG): 分子内の電子を引き寄せる性質を持つ原子または原子団。分子の酸性度を高める効果がある。
                                        • トリフリル基 (Triflyl Group, Tf): トリフルオロメタンスルホニル基 (–SO2CF3) のこと。非常に強力な電子求引基である。
                                        • Brønsted酸触媒 (Brønsted Acid Catalysis): プロトン (H+)  を供与することによって化学反応を促進する触媒作用。
                                        • 交差共役 (Cross-conjugated): 複数の共役系が共通の原子を介して結合しているが、互いに直接共役していない状態。
                                        • 非配位性アニオン (Non-coordinating Anion, NCA): 陽イオンとの相互作用が極めて弱いアニオン。触媒反応などで陽イオンを活性化するために用いられる。
                                        • フリーデル・クラフツアシル化反応 (Friedel–Crafts Acylation): ルイス酸触媒を用いて、芳香族化合物にアシル基を導入する反応。

                                        TAKE HOME QUIZ

                                        1. 酸の設計思想 この研究で新しい強酸HTBTを設計するにあたり、研究者たちはどのような考えに基づいていましたか?酸性度を高めるための2つの重要な設計戦略を、ソースに基づいて説明してください。
                                        2. HTBTアニオン(TBT⁻)の構造 HTBTからプロトンが脱離して生成するアニオン(TBT⁻)について、結晶構造解析から明らかになった構造的特徴を2つ挙げてください。また、なぜ設計時に期待された平面構造にならなかったと推測されていますか?
                                        3. HTBT遊離酸の合成と安定性 HTBTの遊離酸は、どのような手順で合成されましたか?。また、その収率を決定できなかった理由は何ですか?
                                        4. 触媒としての性能 HTBTのブレンステッド酸触媒としての活性を調べるために、どのような反応が試されましたか?。また、関連する酸であるTTPと比較して、その結果はどうでしたか?
                                        5. 弱配位性アニオンとしての可能性 論文の結論部分で、TBT⁻アニオンが「弱配位性アニオン(weakly coordinating anion)」として分類できる可能性が示唆されています。その最も強力な根拠となった実験結果は何ですか?具体的に説明してください。

                                        解答

                                        1. 酸の設計思想

                                        • 電子求引性基(EWG)の数を増やすこと:炭素原子は窒素や酸素よりも価数が高いため、より多くの電子求引性基を結合させることができます。この研究では、強力な電子求引性基であるトリフリル基(Tf)を可能な限り多く導入することで、酸性度を高めることを目指しました。
                                        • π共役系を拡張し、負電荷を非局在化させること:アリル型のC–H酸であるTTPの骨格をさらに拡張した、デンドラレン型の骨格を採用しました。これにより、脱プロトン化して生成するアニオン(TBT⁻)の負電荷が、6つのトリフリル基にわたって高度に非局在化し、アニオンが安定化されることが期待されました。

                                        2. HTBTアニオン(TBT⁻)の構造

                                        • 非平面(non-planar)でキラリティを持つ立体配座:設計段階では平面構造の可能性が期待されていましたが、実際の結晶構造解析では、TBT⁻アニオンは平面ではなく、わずかにねじれたキラリティを持つ立体配座をとることが明らかになりました。
                                        • C₃対称性の欠如:アニオン全体としてのC₃対称性は観測されませんでした。

                                        平面構造にならなかった理由は、ビニル位の水素原子とスルホニル基の酸素原子との間の立体的な反発(short contacts)によるものと推測されています。

                                        3. HTBT遊離酸の合成と安定性

                                        HTBTの遊離酸は、その塩であるHTMP・TBTを濃硫酸(H₂SO₄)で処理することで合成されました。 収率を決定できなかったのは、HTBTが室温および−25℃において不安定ですぐに分解してしまうためです。

                                        4. 触媒としての性能

                                        触媒活性を調べるため、反応性の低いクロロベンゼンとp-フルオロベンゾイルクロリドを用いたフリーデル・クラフツ アシル化反応に用いられました。 その結果、HTBTは触媒として機能したものの、収率は27%であり、TTPを用いた場合の収率59%よりも低い結果でした。また、HTBTを用いた反応では触媒の分解も観測されました。

                                        5. 弱配位性アニオンとしての可能性

                                        HTBTを過剰のジエチルエーテル(Et₂O)と反応させて得られたエーテラート塩 [TBT]⁻[H(OEt₂)₂]⁺ の結晶構造解析が根拠となります。 この結晶中で、カチオン部分である [H(OEt₂)₂]⁺ の2つのエーテル酸素原子間の距離(平均2.444 Å)が、代表的な弱配位性アニオンであるBArF⁻のエーテラート塩 [B(C₆F₅)₄]⁻[H(OEt₂)₂]⁺ における酸素原子間距離(2.445 Å)とほぼ同一であることがわかりました。この構造的類似性から、TBT⁻アニオンも同様のアニオン配位挙動を示す、すなわち弱配位性アニオンとして分類できると結論付けられました。

                                        2025年8月30日土曜日

                                        Catch Key Points of a Paper ~0248~

                                        論文のタイトル: Straightforward One-Pot Syntheses of Silylamides of Magnesium and Calcium via an In Situ Grignard Metalation Method(In Situ Grignard 金属化法によるマグネシウムおよびカルシウムのシリルアミドの簡便なワンポット合成)

                                        著者: Sven Krieck, Philipp Schüler, Jan M. Peschel, Matthias Westerhausen*

                                        雑誌名: SYNTHESIS
                                        巻: Vol. 51, Issue 5, pages 1115-1122
                                        出版年: 2019
                                        DOI: https://doi.org/10.1055/s-0037-1610407

                                        背景

                                        1: 研究の背景となる既存の知見

                                        • カルシウムビス[ビス(トリメチルシリル)アミド] (Ca(HMDS)2) は、多様な化学反応において広く利用されている試薬です。
                                        • これらのプロセスには、この錯体への簡便かつ大規模なアクセスが不可欠です。
                                        • 特に、可溶性有機カルシウム錯体は、様々な用途で非常に必要とされています。
                                        • アルカリ土類金属であるカルシウムは、周期表における位置(アルカリ金属と初期遷移金属の間)から、高い電気陽性度や触媒活性など、有益な特性を示します。
                                        • さらに、カルシウムは毒性がなく、地球上に豊富に存在し、安価であるという利点があります。

                                        2: 未解決の問題点

                                        • 従来の方法(トランスメタル化、メタセシス、直接金属化)には、深刻な欠点がありました。
                                        • トランスメタル化プロトコルは、前駆体有機金属化合物の準備、分離、蒸留を必要とします。
                                        • メタセシスアプローチでは、不純物(カリウム含有カルシウム錯体やハロゲン化物)の形成を避けるために正確な化学量論が必要でした。
                                        • (H)HMDSとカルシウムの直接金属化は非常に困難であり、金属蒸気合成やアンモニア飽和溶媒を用いた活性化が必要です。
                                        • これらの活性化されたカルシウムは、発火性があったり、反応が不十分で純粋な生成物の単離が困難であったりしました。
                                        • BiPh3の添加やジベンジルカルシウム、アリールカルシウム試薬を用いた加速化戦略も、別の有機金属前駆体を必要とするという欠点がありました。

                                        3: 研究の具体的な目的と期待される成果

                                        • 本研究の目的は、有機金属前駆体の準備を必要としない、Ca(HMDS)2の簡便な合成戦略を開発することです。
                                        • この方法は、ビス(トリメチルシリル)アミドに限定されず、これまで知られていない他のカルシウムビス(アミド)の合成も可能にすることを目指します。
                                        • これにより、事前の複雑で時間のかかる準備(カルシウムの精製・活性化、カルシウム化試薬の準備など)なしに、マルチグラムスケールでの生産が可能になることを期待します。
                                        • 最終的には、環境に優しいこれらの試薬への容易なアクセスを可能にし、その幅広い利用を促進することを目指します。

                                        方法

                                        1: 研究デザインの概要

                                        • 本研究では、in situ Grignard 金属化法(iGMM)という合成手法を開発しました。
                                        • この方法は、マグネシウムとカルシウムのシリルアミドを簡便なワンポット合成で得ることを可能にします。
                                        • 基本的な手順は、THF中のカルシウム薄片とアミン類の混合物に、過剰のブロモエタンを室温で滴下することです。
                                        • これにより、第二級および第一級のトリアルキルシリル置換アミンとアニリンから、対応するカルシウムビス(アミド)をマルチグラムスケールで調製することができます。
                                        • マグネシウムの薄片を用いた場合も同様に機能し、ヘテロレプティックな錯体(Hauser塩基)が生成されます。

                                        2: 反応条件と試薬

                                        • 市販のカルシウム粒状品と第一級または第二級アミンをTHF中で室温で混合しました。
                                        • その後、THFに溶解したブロモエタンを滴下し、穏やかな金属化反応を開始させました。
                                        • 反応混合物は、反応を完了させるためにさらに3時間撹拌されました。
                                        • より高い変換率を得るための推奨戦略は、ブロモエタンとカルシウムを1.5当量使用することです。
                                        • 全ての操作は、不活性な窒素雰囲気下で標準的なSchlenk技術を用いて実施されました。
                                        • 使用した基質は市販品であり、さらなる精製なしで使用されました。溶媒は乾燥・蒸留されてから使用されました。

                                        3: 評価項目と測定方法

                                        • 反応の変換率は、EtOH/H2O中で加水分解後、H2SO4を用いた酸滴定により決定されました。
                                        • 化合物の純度は、主にNMR分光法(1H, 29Si, 13C{1H})により検証されました。
                                        • 錯体の特性は、NMRパラメーター(例えば、29Si核や 15N核の化学シフト、結合定数)を用いて詳細に分析されました。
                                        • 分子構造は、結合長と結合角(M-N, M-O, N-M-Nなど)を測定することで明らかにされ、金属のサイズや電気陰性度による傾向が評価されました。
                                        • IRスペクトルも記録され、化合物の同定に利用されました。

                                        4: 代表的な合成詳細例

                                        • [(thf)2Ca(HMDS)2]の合成:
                                          • カルシウム(50 mmol, 1.1 equiv)、(H)HMDS(45.4 mmol, 1 equiv)、THF(45 mL)をSchlenkフラスコに入れました。
                                          • ブロモエタン(45.4 mmol, 1 equiv)をTHF(5 mL)に溶解し、適度なガス発生を観察しながら滴下しました。
                                          • スラリーを2時間撹拌後、ブロモエタン(26.8 mmol, 0.6 equiv)を追加し、さらに2時間室温で撹拌しました。
                                          • 溶媒を減圧下で除去し、残渣をn-ペンタン/THF混合物で再溶解し、濾過後、-40 °Cで保管することでハロゲン化物を含まない無色結晶として単離しました。
                                        • [(thf)2MgBr(HMDS)](Hauser塩基)の合成:
                                          • マグネシウム(40.4 mmol, 1.1 equiv)をTHF(45 mL)に懸濁させ、(H)HMDS(36.4 mmol)を加えました。
                                          • ブロモエタン(36.4 mmol, 1 equiv)を30分かけて滴下し、Hauser塩基の透明な淡黄色ストック溶液を得ました。

                                        結果

                                        1: iGMMの有効性

                                        • iGMMは、第二級および第一級のトリアルキルシリル置換アミンとアニリンから、カルシウムビス(アミド)をマルチグラムスケールで調製することを可能にしました。
                                        • 反応中、カルシウム薄片がゆっくりと溶解し、エタンの発生が観察されました。
                                        • Ca(HMDS)2と臭化カルシウム(CaBr2)が等モル量で生成され、平衡はホモレプティック化合物(Ca(HMDS)2)の生成に有利でした。
                                        • この手順はマグネシウム薄片を使用した場合も良好に機能しましたが、この場合、平衡はヘテロレプティック錯体であるHauser塩基[(thf)2Mg(HMDS)X]の側に完全にシフトしました。
                                        • ウルツ型カップリング反応との競合を防ぐため、カルシウムをわずかに過剰量(1.5当量)使用することが有効であることが示されました。

                                        2: iGMMの一般性

                                        • 本研究で開発されたiGMMにより、アリール-(アニリド)およびトリアルキルシリル置換されたカルシウムアミドの合成が可能になりました。
                                        • 窒素原子上にトリメチルシリル基が一つ存在するアミンは、その嵩高さに関わらず、高い収率で円滑な反応が進行しました(例:iPr3SiNH2で86%、tBu(NH)TMSで92%、Ph3SiNH2で78%の変換率)。
                                        • アニリン類も同様の条件下でカルシウム化が可能でしたが(例:Ph2NHで43%)、収率は低く、より長い反応時間が必要でした。
                                        • 一方、ジアルキルアミンや第一級・第二級ホスファンは、ブロモエタン添加中にそれぞれアンモニウムブロミドやホスホニウムブロミドを形成するため、カルシウム化反応は進行しませんでした。

                                        3: 生成物の特性

                                        • 本方法で調製されたCa(HMDS)2は、他の金属を含みませんが、溶液中には少量の臭化カルシウムが含まれています。
                                        • 臭化カルシウムはアルカンに不溶性であるため、再結晶により容易に除去することが可能です。
                                        • マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムのビス(トリメチルシリル)アミド錯体である[(thf)2M(HMDS)2]は、金属中心に歪んだ四面体配位圏を持つビス(thf)付加物を形成します。
                                        • 中心金属原子の電気陰性度が増加すると、29Si核の共鳴が負の超共役効果により高磁場シフトすることが特徴的なNMRパラメーターとして観察されました。
                                        • M–NおよびM–O結合長は金属の半径とともに増加し、N–M–N結合角はMgからBaへ向かうにつれて減少する傾向が確認されました。
                                        • HMDS配位子による反応性M–N結合の立体的な遮蔽により、これらの錯体は空気に対して中程度の感度しか示さず、単離された結晶性材料およびストック溶液は非常に耐久性があり、化学変換に利用できます。

                                        考察

                                        1: 主要な発見

                                        • 本研究で開発されたiGMMは、マグネシウムおよびカルシウムのシリルアミドを簡便なワンポット合成で提供する極めて貴重な手法です。
                                        • この方法は、これまでの合成法が抱えていた、複雑な前駆体の調製、正確な化学量論の要求、金属活性化の必要性といった深刻な欠点を克服しました。
                                        • 特に、マルチグラムスケールでのCa(HMDS)2の生産を可能にし、他の様々なカルシウムビス(アミド)の合成にも適用できます。
                                        • これにより、これらの環境に優しい試薬への容易なアクセスが実現され、その幅広い応用が期待されます。

                                        2: 主要な発見の意味

                                        • iGMMは、アリール基またはトリアルキルシリル基が窒素原子に置換したカルシウムアミドの合成を可能にしました。
                                        • この手法は、従来困難であった(H)HMDSとカルシウム薄片の直接金属化を、ブロモエタンの添加によりスムーズかつ穏やかに開始させることに成功しました。
                                        • カルシウム系の場合、異種核錯体である(HMDS)CaBrは観察されず、ホモレプティック化合物(Ca(HMDS)2)が優先的に生成されることが示されました。
                                        • 対照的に、マグネシウム薄片を使用した場合、Hauser塩基[(thf)2Mg(HMDS)X]の形成が有利であることが確認され、これは強力な金属化能力を持つ重要な試薬となります。

                                        3: 先行研究との比較

                                        • Ca(HMDS)2とCaBr2が等モル量で生成され、平衡がホモレプティック化合物に有利であるという本研究の発見は、過去の研究と一致しています。
                                        • [(thf)2M(HMDS)2](M = Mg, Ca)錯体は、酸性化合物の金属化反応における貴重な合成中間体であることが示されています。
                                        • これらの錯体は、ホスファニド、チオラート、セレノラート、テルロラート、メタロセン、アルキニル錯体の合成にも利用されています。
                                        • さらに、Ca(HMDS)2は、不飽和化合物のヒドロアミノ化、カルボジイミドのヒドロアセチレン化、バイオポリマー(ポリラクチド)の合成など、多様な触媒的応用において有効なプレ触媒として機能します。

                                        4: 先行研究との比較(詳細な点)

                                        • 従来の(H)HMDSの直接金属化は、活性化カルシウム金属(例えば、金属蒸気合成やアンモニア飽和溶媒)を必要とする非常に困難なプロセスでした。本研究のiGMMは、このような事前の活性化なしに反応を可能にすることで、この問題点を解決しています。
                                        • メタセシスアプローチでは、AHMDS(A = アルカリ金属)とCaI2の反応でカリウム汚染が生じ、再結晶による除去が必要でした。iGMMで得られるCa(HMDS)2は、他の金属を実質的に含まないという利点があります。
                                        • アリールハライドは活性化されたカルシウムとのみ反応し、活性化特性を示さないという先行研究の結果と一致して、ブロモベンゼンはiGMMでは活性化剤として機能しませんでした。
                                        • アルキルヨウ化物やブロミドを用いた活性化カルシウムの直接合成では、ウルツ型C-Cカップリング反応が優勢であり、脂肪族ヒドロカルビルカルシウムハライドは通常アクセスできませんでした。iGMMは、ブロモエタンを効果的な開始剤として用いることで、この問題に対処しています。

                                        5: 研究の限界点

                                        • 等モル量のカルシウムとブロモエタンを用いた場合、エーテル開裂やウルツ型カップリング反応との競合により、変換率は43%に留まりました。
                                        • より大きなアルキル基を持つアルキルハライド(例:プロピルブロミド)を用いると、収率が著しく低下しました。
                                        • クロロアルカンでは、(H)HMDSのカルシウム化を開始することができませんでした。
                                        • ジアルキルアミン(例:Cy2NH)は、ブロモエタンの添加中に直ちにアンモニウムブロミドを形成し、カルシウム化反応を妨げました。
                                        • 同様の理由で、第一級および第二級ホスファンもこの反応条件下ではカルシウム化されず、ホスホニウムブロミドが形成されました。
                                        • 調製された[(thf)2Ca(HMDS)2]溶液は、臭化カルシウムの溶解度に応じて少量の臭化カルシウムを含有しています。

                                        結論

                                                • 本研究は、in situ Grignard 金属化法(iGMM)という、マグネシウムおよびカルシウムのシリルアミドを簡便なワンポット合成で得るための戦略を提示しました。
                                                • この画期的な方法は、マルチグラムスケールで、高純度のCa(HMDS)2および新規なカルシウムビス(アミド)を、事前の金属活性化や有機金属前駆体の準備なしに合成することを可能にしました。
                                                • 特に、アリール-およびトリアルキルシリル置換されたカルシウムアミドが高い収率で得られることが実証されました。
                                                • マグネシウムの場合、Hauser塩基と呼ばれる重要なヘテロレプティックアミドマグネシウムブロミド溶液への容易なアクセスも提供します。

                                                将来の展望

                                                                          • これらの合成が容易になった環境に優しい試薬は、材料科学、配位子移動、金属化試薬、ヒドロ機能化反応の触媒、重合開始剤など、多様な化学反応においてその用途をさらに拡大していくことが期待されます。

                                                                          TAKE HOME QUIZ

                                                                            Q1: Ca(HMDS)2 はなぜ重要な試薬として広く利用されているのですか?その用途の具体例を2つ挙げてください。

                                                                            Q2: 従来の Ca(HMDS)2 合成方法には、どのような深刻な欠点がありましたか?2つ以上挙げてください。

                                                                            Q3: 「in situ グリニャール金属化法 (iGMM)」を用いた Ca(HMDS)2 の合成について、以下の点を説明してください。

                                                                            1. 主要な反応物(Starting Materials)
                                                                            2. 反応条件
                                                                            3. カルシウムとマグネシウムを用いた場合の反応生成物の違い

                                                                            Q4: iGMMは、どのような種類のアミンのカルシウムビス(アミド)合成に適していますか?また、どの種類のアミンには適していませんか?

                                                                            Q5: [(thf)2M(HMDS)2] 錯体の物理的特性について、NMRデータと分子構造の観点から説明してください。

                                                                            解答

                                                                            1. Ca(HMDS)2 は、様々な化学量論的および触媒的応用において広く使用されている試薬です。このアルカリ土類金属の非毒性、地球上での豊富さ、安価な性質が利点として挙げられます。 具体的な用途例:

                                                                              • 酸性化合物の金属化反応における貴重な合成素として利用されます。初期の反応性研究では、ホスファニド、チオラート、セレノラート、テルラート、メタロセン、アルキニル錯体などの合成例が含まれます。また、最近ではアミジナートの合成や水素化カルシウムケージの合成も可能にしています。
                                                                              • 重合開始剤として、特にポリラクチドなどの生体高分子の合成に利用されます。
                                                                              • 不飽和化合物(アルケン、アルキン、ヘテロクムレンなど)のカルシウムを介したヒドロアミン化反応や、カルボジイミドのヒドロアセチレン化など、多様な触媒プロセスにおける有用なプレ触媒としても機能します。
                                                                            2. 従来の合成方法には以下の深刻な欠点がありました。

                                                                              • トランスメタル化法:前駆体である有機金属化合物(Hg(HMDS)2 や Sn(HMDS)2)の調製、単離、蒸留が必要でした。
                                                                              • 複分解法:[Ca(HMDS)3]– 型のカルシウム酸塩の生成を避けるために厳密な化学量論が必要であり、またハロゲン化物を含む生成物混合物が生じることがありました。一般的に、Ca(HMDS)2 生成物には少なくとも微量のカリウムが混入し、繰り返しの再結晶による除去が必要でした。
                                                                              • 直接金属化法:(H)HMDS の直接金属化に先立ち、カルシウム金属を活性化し、発火性の金属粉末を使用する必要がありました。また、アンモニア飽和溶媒中での反応は反応が鈍く、鈍い灰色の反応混合物が得られ、純粋な生成物の単離を妨げたと報告されています。
                                                                              • 他の有機金属前駆体の必要性:他の有機金属前駆体を必要とする金属化試薬の調製が必要でした。
                                                                            3. 以下の通り。

                                                                              • 主要な反応物: iGMMでは、市販のカルシウム薄片(または顆粒)、ビス(トリメチルシリル)アミン ((H)HMDS)、そして臭化エチル(ブロモエタン)が主要な反応物として使用されます。反応はテトラヒドロフラン(THF)中で行われます。
                                                                              • 反応条件:
                                                                                • 市販のカルシウム顆粒とアミンをTHFに一緒に仕込みます。
                                                                                • 次に、THFに溶かした臭化エチルを室温で滴下します。
                                                                                • 反応混合物を通常3時間から5時間攪拌し、反応を完了させます。
                                                                                • 一般的に、カルシウムを1.5当量、アミンを1当量、臭化エチルを1.5当量用いることが推奨されます。
                                                                              • カルシウムとマグネシウムを用いた場合の反応生成物の違い:
                                                                                • カルシウムを使用した場合: 等モル量の臭化カルシウム(CaBr2)とCa(HMDS)2が形成し、平衡はホモレプティック化合物(Ca(HMDS)2)の側に傾きます。ヘテロレプティックな(HMDS)CaBrはこれらのエーテル溶液では観察されません。
                                                                                • マグネシウムを使用した場合: 平衡はヘテロレプティックな錯体((HMDS)MgBr)の側に完全に傾きます。これは強力な金属化能力を持つハウザー塩基として知られています。
                                                                            4. 以下の通り。

                                                                              1. 適しているアミン:
                                                                                • アリール置換アミド(アニリド):アニリン類はカルシウム化が可能ですが、収率は低く、より長い反応時間が必要です [21, 23 (Entry 3, Ph2NH)]。
                                                                                • トリアルキルシリル置換アミド:窒素原子上にトリアルキルシリル置換基が1つ存在する一級または二級のアミンは、その立体的なかさ高さに関わらず、高い収率で円滑に反応します。例として、ビス(トリメチルシリル)アミン((H)HMDS) [23 (Entry 1)]、iPr3SiNH2 [23 (Entry 4)]、tBu(NH)TMS [23 (Entry 5)]、Ph3SiNH2 [23 (Entry 6)] が挙げられます。
                                                                              2. 適していないアミン:
                                                                                • ジアルキルアミン(例:Cy2NH):臭化エチルの添加中にすぐにアンモニウム臭化物を形成するため、金属化反応が妨げられます [21, 23 (Entry 2)]。
                                                                                • 一級および二級ホスファン:同様の理由(ホスホニウム臭化物の形成)で、これらの条件下では金属化されません。
                                                                                • クロロアルカンは、(H)HMDSのカルシウム化を開始できません [19 (entry 7)]。
                                                                              • NMR特性:
                                                                                • アルカリ土類金属のビス(トリメチルシリル)アミド錯体は、特徴的なNMRパラメータを示します。
                                                                                • 中心金属原子の電気陰性度が増加すると、29Si原子の共鳴は高磁場シフトを示します。これは、窒素原子からσ*(Si–C)結合への負電荷の逆供与(負の超共役)によるものです。
                                                                                • 窒素原子にトリメチルシリル基が1つしか結合していない場合、この負の超共役効果は増強され、より強い高磁場シフト(例:[(thf)2Ca{N(tBu)(SiMe3)}2] のδ = –20.7)が観察されます。
                                                                                • 15Nラベル化された錯体のδ(15N{1H})値も、アルカリ土類金属のサイズと硬さに強く依存します。
                                                                              • 分子構造:
                                                                                • [(thf)2M(HMDS)2] 錯体の分子構造は非常に類似しており、アルカリ土類金属のサイズと電気陰性度に依存する特徴的な傾向を示します。
                                                                                • 予想通り、M–NおよびM–O結合長は金属の半径とともに増加します。
                                                                                • 金属中心のサイズが増加すると分子内反発が減少するため、N–M–N結合角はMgからBaへ向かって減少します。
                                                                                • N–Si結合長は負の超共役によりむしろ短く、この相互作用が大きなSi–N–Si結合角につながります。
                                                                                • かさ高いHMDS配位子による反応性M–N結合の立体的な遮蔽により、これらの錯体は空気に対して適度な感度しか示さず、単離された結晶性物質およびストック溶液は非常に耐久性があり、化学量論的および触媒的な化学変換に使用できます。

                                                                            2025年5月17日土曜日

                                                                            Catch Key Points of a Paper ~0235~

                                                                             論文のタイトル: Low-Cost, Safe, and Anion-Flexible Method for the Electrosynthesis of Diaryliodonium Salts

                                                                            著者: Anton Scherkus, Aija Gudkova, Jan Čada, Bernd H. Müller, Tomas Bystron, and Robert Francke*
                                                                            雑誌名: Journal of Organic Chemistry
                                                                            巻: Volume 89, Issue 19, 14129–14134
                                                                            出版年: 2024
                                                                            DOI: https://doi.org/10.1021/acs.joc.4c01521

                                                                            背景

                                                                            1: 研究の背景

                                                                              • ジアリールヨードニウム塩の重要性
                                                                                • 金属フリーで扱いやすいアリール化反応試薬として注目されています。
                                                                                • 特に、特定の官能基を選択的に導入する反応に有用です。
                                                                              • 従来法の課題
                                                                                • 多くの化学合成法は、多量の廃棄物を生じ、時間がかかります。
                                                                                • また、毒性の高い試薬を用いる場合があります。
                                                                              • 電気化学的アプローチの利点
                                                                                • 電気をクリーンで安価な酸化剤として利用できます。
                                                                                • これにより、環境負荷の低い合成法が期待されます。

                                                                              2: 既存の手法

                                                                              • 既存の電解合成法
                                                                                • Pletcherらによって、特定のアシッドベースの電解質を用いた方法が報告されています。
                                                                                • この方法では、多くの場合、合成後にアニオン交換が必要でした。
                                                                                • アニオン交換は、時間とコストがかかる工程です。
                                                                              • 別の電気化学的手法
                                                                                • ElsherbiniとMoranによる方法では、高価なフッ素系溶媒(HFIP)が必要です。
                                                                                • この方法で得られるジアリールヨードニウム塩は、特定のアニオン(トリフラートなど)に限定されます。
                                                                              • アニオンの重要性
                                                                                • ジアリールヨードニウム塩のアニオン(対アニオン)の種類は、その後のアリール化反応の成功に強く影響することが知られています。

                                                                              3: 研究の目的

                                                                                  • 本研究の目的
                                                                                    • アニオンを自由に選択できる電解合成法の開発を目指しました。
                                                                                    • 危険な強酸や高価なフッ素化合物を避けることも重要な目標です。
                                                                                  • アプローチ
                                                                                    • アセトニトリルを溶媒とし、リチウム塩を支持電解質として用いる方法を採用しました。
                                                                                    • このアプローチは、MillerとHoffmannの先行研究に基づいています。
                                                                                  • 研究内容
                                                                                    • 合成条件の最適化。
                                                                                    • 多様な化合物の合成(基質範囲の検討)。
                                                                                    • 異なるアニオンを持つ塩の合成。
                                                                                    • 電解反応後の溶液をそのまま用いる応用の検討(ワンポット反応)。
                                                                                    • 生成した化合物の電気化学的性質の分析。

                                                                                  方法

                                                                                  1: 研究デザイン

                                                                                  • 研究デザイン
                                                                                    • アリールヨージドとアレーンを電解酸化により結合させる手法を用いました。
                                                                                    • 主に定電流(ガルバノスタット)条件下で反応を行いました。
                                                                                    • 電極を隔てた分割セル(H型ガラスセル)を使用しました。
                                                                                  • 使用機器と電極
                                                                                    • ガルバノスタットまたはポテンシオスタット/ガルバノスタットを電源として使用しました。
                                                                                    • 陰極にはガラス状炭素板を、陽極には白金シートを用いました。
                                                                                  • 反応温度と雰囲気
                                                                                    • 全ての反応は室温、大気圧下で行いました。

                                                                                  2: 反応条件

                                                                                  • 電解液組成
                                                                                    • アノライト(陽極室): アリールヨージド (1.0 mmol)、アレーン (5.0 mmol)、選択したリチウム塩 (5.0 mmol) をアセトニトリル (5 mL) に溶解しました。
                                                                                    • カソライト(陰極室): 同じリチウム塩 (5.0 mmol) をアセトニトリル (5 mL) に溶解しました。
                                                                                  • 最適反応条件
                                                                                    • 電流密度: 10 mA cm⁻² が最適であることが分かりました。
                                                                                    • 電荷量: 理論的には2 F/molですが、多くの場合、高収率を得るために4 F/molの電荷を流しました(ただし、一部のアニオンでは2 Fが最適でした)。
                                                                                    • 分割セルを用いることが高収率の鍵でした。

                                                                                  3: 後処理

                                                                                  • 生成物の単離と精製
                                                                                    • 電解終了後、アノライトを減圧濃縮しました。
                                                                                    • 残渣をカラムクロマトグラフィーで精製しました。
                                                                                    • 油状で得られた場合は、再結晶(CH₂Cl₂/ペンタン)を行いました。
                                                                                  • 収率の決定
                                                                                    • 主に¹H NMR分光法を用い、内部標準(メシチレン)と比較して収率を算出しました。
                                                                                  • その他の評価
                                                                                    • カソード室の沈殿物を粉末X線回折で分析しました。
                                                                                    • グラムスケール合成を試みました。
                                                                                    • ポスト電解液を用いたワンポットO-アリール化反応を行いました。
                                                                                    • ジアリールヨードニウム塩とヨードアレーンの電気化学的挙動を、リニアスイープボルタンメトリー(LSV)で分析しました。

                                                                                  結果

                                                                                  1: 最適化結果

                                                                                  • 反応条件の最適化
                                                                                    • ガルバノスタットモード(一定電流)での合成が可能でした。
                                                                                    • 最適条件下では、代表的なジアリールヨードニウム塩 (3a) が93%の収率で得られました。
                                                                                    • 電流密度が高すぎたり、電荷量が不足したりすると収率が低下しました。
                                                                                    • 電極を隔てない(準分割)セルでは収率が非常に低くなりました。
                                                                                  • カソード室での観察
                                                                                    • カソード室では沈殿物が生じ、LiOHであることが確認されました。
                                                                                    • これは水や大気中のO₂に由来する可能性がありますが、正確なメカニズムは不明です。

                                                                                  2: 基質適用範囲

                                                                                      • 多様な化合物の合成(基質範囲)
                                                                                        • 多様なアリールヨージドとアレーンの組み合わせで、合計24例のジアリールヨードニウム塩を合成しました。
                                                                                        • 最高で99%の単離収率を達成しました。
                                                                                        • 電子求引性または電子供与性の弱い置換基を持つ基質は比較的高い収率で反応しました(66-97%)。
                                                                                        • 強い電子供与基 (OMe) や、ケトン/アセタール基を持つ基質は、目的生成物が得られませんでした。
                                                                                        • 環状ジアリールヨードニウム塩の合成も可能でした(収率 41-70%)。
                                                                                      • グラムスケール合成
                                                                                        • 代表的な化合物を7 mmolスケール(グラムスケール)で合成したところ、96%の収率で成功しました。

                                                                                      3: 応用展開

                                                                                      • アニオンの導入
                                                                                        • 異なるリチウム塩(支持電解質)を用いることで、対応する対アニオン(ClO₄⁻, BF₄⁻, OTf⁻, NTf₂⁻, PF₆⁻)を持つジアリールヨードニウム塩を合成できました。
                                                                                        • PF₆⁻塩は反応中に部分的に加水分解を受け、異なるアニオンの混合物となりました。
                                                                                      • ワンポットO-アリール化
                                                                                        • 電解によりin situで生成したジアリールヨードニウム塩を含む溶液を精製せずに用い、フェノールとのO-アリール化反応を行いました。
                                                                                        • 目的のジフェニルエーテルを76%の収率で得ることができました.
                                                                                      • 電気化学的挙動
                                                                                        • LSV分析により、ジアリールヨードニウム塩の還元電位が置換基の電子的性質に影響されることが確認されました。
                                                                                        • ただし、置換基効果は対応するヨードアレーンに比べて小さいことが示されました。

                                                                                      考察

                                                                                      1: 主要な発見とその意味

                                                                                      • 新しい合成法の利点
                                                                                        • 本研究で開発した電解合成法は、低コスト、安全、非フッ素系溶媒で行えます。
                                                                                        • これにより、従来のジアリールヨードニウム塩合成法の課題を克服しました。
                                                                                        • 特に、強酸を必要としない点が大きな利点です。
                                                                                      • 分割セルの重要性
                                                                                        • 電解反応において、陽極で生成したジアリールヨードニウムイオンが陰極に移動して還元されるのを防ぐために、分割セルが不可欠です。

                                                                                      2: 主要な発見の重要性

                                                                                        • アニオン選択性の達成
                                                                                          • 支持電解質として用いるリチウム塩の種類を変えるだけで、目的の対アニオンを持つジアリールヨードニウム塩を合成できました。
                                                                                          • これにより、合成後に別工程でアニオン交換を行う必要がなくなります。
                                                                                          • これは、アニオンがアリール化反応の効率に大きく影響するため、非常に有用です。
                                                                                        • 実用性の高さ
                                                                                          • 多様なアリールヨージドとアレーンに対応できる幅広い基質範囲を持ちます。
                                                                                          • グラムスケールでの合成も可能であり、大量合成への適用性を示しました.
                                                                                          • ポスト電解液をそのまま使えるワンポット反応は、合成工程の簡略化に貢献します。
                                                                                        • 電気化学的挙動の洞察
                                                                                          • LSV分析から、置換基がジアリールヨードニウム塩の還元電位に影響することが分かりました。
                                                                                          • 電極表面への付着の可能性など、還元プロセスに関する知見が得られました。

                                                                                        3: 先行研究との比較

                                                                                        • 本研究は、PletcherらやElsherbiniらによる電解合成法の研究 や、MillerとHoffmannによる初期の検討 を踏まえています。
                                                                                        • アニオン効果に関するStuart et al.の研究 の重要性が、本研究のアニオン選択性への動機となりました.
                                                                                        • 本手法は、これらの先行研究の課題(特定のアニオンのみ、高価な溶媒、追加のアニオン交換工程など)を克服するものです.

                                                                                        4: 研究の限界点

                                                                                        • 全ての基質に適用できるわけではなく、特定の置換基(強い電子供与基やケトン/アセタール基)では目的生成物が得られませんでした。
                                                                                        • PF₆⁻アニオンは反応中に分解(加水分解)しました。
                                                                                        • 最適化された電荷量は、導入するアニオンによって調整が必要な場合があります。
                                                                                        • 生成物の精製には、カラムクロマトグラフィーや再結晶が必要な場合があります。
                                                                                        • 副生成物(ホモカップリング物や未確認物)の生成が確認されました。
                                                                                        • 電気化学測定において、電極表面への物質の付着が示唆されました。

                                                                                        結論

                                                                                          • 低コストで安全、アニオン選択性に優れたジアリールヨードニウム塩の新しい電解合成法を開発しました。
                                                                                          • 多様な構造を持つジアリールヨードニウム塩を合成でき、グラムスケール合成やワンポット反応への応用も可能です。
                                                                                          • ジアリールヨードニウム塩の電気化学的挙動と置換基効果に関する知見が得られました。

                                                                                          将来の展望

                                                                                          • より効率的かつ持続可能な方法で、重要なアリール化試薬であるジアリールヨードニウム塩を供給するための道を開きます.
                                                                                          • アニオンの種類がジアリールヨードニウム塩の電気化学的挙動や反応性に与える影響について、さらなる研究を進めています。

                                                                                          TAKE HOME QUIZ

                                                                                          • 問1: 本論文で提示されているジアリールヨードニウム塩の合成の主要な手法は何ですか?
                                                                                          • 問2: 既存の化学的手法や他の電解合成法と比較して、本論文で提示された電解合成法の主な利点は何ですか?
                                                                                          • 問3: 最適化された電解合成法では、どの溶媒が使用されていますか?
                                                                                          • 問4: 生成物であるジアリールヨードニウムイオンがカソードで還元されるのを防ぐために、どのようなタイプの電解セルが鍵となりますか?
                                                                                          • 問5: 本手法のスケールアップは実証されましたか?実証された場合、どの程度のスケールで行われましたか?
                                                                                          • 問6: 電解後の溶液は、精製などの追加の後処理なしに、直接さらなる反応に利用できる可能性は示されていますか?示されている場合、どのような反応が例として挙げられていますか?
                                                                                          • 問7: 線形掃引ボルタンメトリー(LSV)による研究から、ジアリールヨードニウム塩のレドックス挙動に対して、アリール環上のパラ位の電子的置換基はどのような影響を及ぼすことが分かりましたか?
                                                                                          • 問8: パラ位の電子的置換基がレドックス電位に与える影響は、ジアリールヨードニウム塩と対応するヨードアレーンのどちらでより顕著でしたか?

                                                                                          解答

                                                                                          • 問1: 本論文で提示されているジアリールヨードニウム塩の合成の主要な手法は、アノードでのアリールヨード化物とアレーンとのC-Iカップリングに基づいた電気化学的手法です。

                                                                                          • 問2: 既存のプロトコルと比較して、本手法は化学酸化剤、強酸、またはフッ素化溶媒を必要としない点が主な利点です。さらに、適切な支持電解質を使用することで、合成後にイオン交換を行うことなく所望の対アニオンを導入できる「アニオンの柔軟性」がある点も大きな利点とされています。本手法における「アニオンの柔軟性」とは、合成後に別途イオン交換ステップを経ることなく、電解合成の段階で所望の対アニオンを持つジアリールヨードニウム塩を直接得られることを指します。これは、使用する支持電解質の種類を選択することによって達成されます。

                                                                                          • 問3: 最適化された電解合成法では、溶媒としてアセトニトリル (acetonitrile) が使用されています。

                                                                                          • 問4: 生成物であるジアリールヨードニウムイオンがカソードで還元されるのを防ぐための鍵となるのは、分割セル (divided cell) の使用です。

                                                                                          • 問5: 本手法のスケールアップは実証されました。7 mmolスケール (約3.09 g) での合成が実証されています。

                                                                                          • 問6: 電解後のジアリールヨードニウム塩を含む溶液は、精製などの追加の後処理なしに、直接さらなる反応に利用できる可能性が示されています。例として、O-アリール化反応が挙げられています。

                                                                                          • 問7: 線形掃引ボルタンメトリー(LSV)による研究から、アリール環上のパラ位の電子的置換基は、ジアリールヨードニウム塩のレドックス挙動に対して明確な電子的影響を及ぼすことが分かりました。置換基定数(σp)との間に線形依存関係が見られました。

                                                                                          • 問8: パラ位の電子的置換基がレドックス電位に与える影響は、ジアリールヨードニウム塩よりも対応するヨードアレーンの方でより顕著でした。これは、ヨードアレーンにおけるレドックス電位と置換基定数(σp)との線形関係の傾きが、ジアリールヨードニウム塩の場合よりも大きかったことから示されています。





                                                                                          2024年8月25日日曜日

                                                                                          Catch Key Points of a Paper ~0107~

                                                                                          論文のタイトル: Synthesis of zirconium(iv) and hafnium(iv) isopropoxide, sec-butoxide and tert-butoxide(ジルコニウム(IV)およびハフニウム(IV)イソプロポキシド、sec-ブトキシドおよびtert-ブトキシドの合成)

                                                                                          著者: Evert Dhaene, Carlotta Seno and Jonathan De Roo*

                                                                                          出版: Dalton Transactions

                                                                                          巻: 53, 11769-11777

                                                                                          出版年: 2024


                                                                                          背景

                                                                                          1: 研究背景

                                                                                          ジルコニウムとハフニウムのアルコキシドは材料生産に重要

                                                                                          特に(ドープされた)酸化物ナノ結晶の合成に使用される

                                                                                          ZrO2やHfO2ナノ結晶の合成例が報告されている


                                                                                          2: 問題点

                                                                                          市販の前駆体は供給元や製造バッチによって品質にばらつきがある

                                                                                          色や純度に問題があることがある(黄色〜茶色、濁りなど)

                                                                                          再結晶や真空蒸留による精製が推奨される

                                                                                          特殊化学品は入手に時間がかかることがある


                                                                                          3: 研究目的

                                                                                          高品質な前駆体を研究室で合成する方法の確立

                                                                                          市販されていない前駆体(ジルコニウムsec-ブトキシドなど)の合成

                                                                                          過去の合成方法を見直し、最適化された合成プロトコルの提供

                                                                                          無水条件下での合成と保存が必要


                                                                                          方法

                                                                                          1: 合成方法の概要

                                                                                          全ての操作は厳密な無水条件下で実施

                                                                                          窒素またはアルゴン雰囲気下でのシュレンク技術とグローブボックス技術を使用

                                                                                          高純度の出発物質と無水溶媒を使用

                                                                                          分子ふるいで残留水分を除去(1 ppm未満)


                                                                                          2: Zr(OiPr)4・iPrOHの合成

                                                                                          ZrCl4からの合成:2つの方法を比較

                                                                                           1) イソプロパノール中のアンモニア溶液を使用

                                                                                           2) ガス状アンモニアを使用

                                                                                          塩化アンモニウムの濾過除去

                                                                                          トルエン/イソプロパノール混合物からの再結晶


                                                                                          3: その他の化合物の合成

                                                                                          M(NEt2)4 (M = Zr, Hf):金属塩化物とリチウムジエチルアミドから合成

                                                                                          M(OtBu)4 (M = Zr, Hf):M(NEt2)4とtert-ブタノールから合成

                                                                                          Zr(OsBu)4:Zr(NEt2)4と2-ブタノールから合成

                                                                                          各化合物は真空蒸留で精製


                                                                                          結果

                                                                                          1: Zr(OiPr)4・iPrOHの合成結果

                                                                                          白色結晶性固体として得られた(収率65%)

                                                                                          1H NMRと13C NMRで構造を確認

                                                                                          単結晶X線回折で既報の構造と一致することを確認

                                                                                          残留塩化物は検出限界以下(<0.85%)


                                                                                          2: M(NEt2)4とM(OtBu)4の合成結果

                                                                                          M(NEt2)4:無色透明の液体として得られた(収率67-76%)

                                                                                          M(OtBu)4:無色透明の液体として得られた(収率46-71%)

                                                                                          NMRスペクトルで構造を確認

                                                                                          残留塩化物は検出限界以下


                                                                                          3: Zr(OsBu)4の合成結果

                                                                                          無色透明だが非常に粘性の高い液体として得られた(収率57%)

                                                                                          NMRスペクトルで構造を確認

                                                                                          TOPOとの相互作用を調べ、構造の均一性を確認


                                                                                          考察

                                                                                          1: 合成方法の比較

                                                                                          アンモニア溶液法とガス状アンモニア法の利点と欠点

                                                                                          ガス状アンモニア法:より汎用性が高く、工程が少ない

                                                                                          アンモニア溶液法:取り扱いが容易だが、適用可能なアルコールが限られる


                                                                                          2: 前駆体の品質評価

                                                                                          TOPOを用いたNMR分析で化学量論と純度を確認可能

                                                                                          31P NMRで不純物(例:ZrCl(OR)3(TOPO)2)を検出可能

                                                                                          市販品と比較して高純度の前駆体を得られることを確認


                                                                                          3: M(NEt2)4の有用性

                                                                                          様々なアルコキシドの合成に利用可能

                                                                                          加水分解の問題を回避できる

                                                                                          市販されていない前駆体の合成に特に有用


                                                                                          4: 研究の限界

                                                                                          一部の化合物(例:Zr(OsBu)4)は非常に粘性が高く、取り扱いが難しい

                                                                                          大規模合成への適用性は検討されていない

                                                                                          長期保存安定性に関するデータが不足


                                                                                          結論

                                                                                          ジルコニウムとハフニウムのアルコキシド合成の最適化に成功

                                                                                          高純度前駆体の研究室レベルでの合成方法を確立

                                                                                          市販されていない前駆体(Zr(OsBu)4など)の合成も可能に


                                                                                          将来の展望

                                                                                          大規模合成への適用、長期安定性の評価

                                                                                          材料科学分野での応用研究の促進が期待される

                                                                                          2024年5月15日水曜日

                                                                                          Catch Key Points of a Paper ~0028~

                                                                                          論文のタイトル: Pentamethylphenyl (Ph*) ketones: Unique building blocks for organic synthesis

                                                                                          著者: Roly J. Armstrong, Timothy J. Donohoe

                                                                                          雑誌: Tetrahedron Letters

                                                                                          巻: 74, 153151

                                                                                          出版年: 2021


                                                                                          背景

                                                                                          1: 研究の背景

                                                                                          既存の芳香族ケトンは平面構造を好む

                                                                                          ペンタメチルフェニル(Ph*)ケトンは特異な反応性を示す

                                                                                          カルボニル基と芳香環が90度ねじれた構造

                                                                                          求核剤の1,2-付加を抑制

                                                                                          エノラート形成が可能


                                                                                          2: 未解決の問題点

                                                                                          Ph*ケトンの特性を利用した新規な化学反応の可能性

                                                                                              - 水素借用型アルキル化反応

                                                                                              - 環化反応

                                                                                              - 不斉アルドール反応など

                                                                                          有機合成ビルディングブロックとしての可能性は未開拓


                                                                                          3: 研究の目的

                                                                                          Ph*ケトンの独自の反応性を活かした新規変換反応の開発

                                                                                          様々な有用官能基への変換法の確立

                                                                                          有機合成におけるPh*ケトンの応用範囲拡大


                                                                                          方法

                                                                                          1: Ph*ケトンの合成

                                                                                          ペンタメチルベンゼンと酸塩化物のフリーデル・クラフツ反応  

                                                                                          エーテル塩基存在下のエノラート形成と求電子剤との反応


                                                                                          2: 反応例  

                                                                                          水素借用的アルキル化反応

                                                                                              - 遷移金属触媒とアルコールを用いたワンポット反応

                                                                                              - 1級、2級アルコールの両方が可能


                                                                                          アヌレーション反応 

                                                                                              - 1,5-ジオールとの環化反応


                                                                                          結果

                                                                                          1: 水素借用的アルキル化

                                                                                          α-分岐ケトン生成物を定量的収率で合成可能

                                                                                              - ベンジル性/非ベンジル性の1級アルコール

                                                                                              - エーテル、アミン基含有基質に対応


                                                                                          β-分岐生成物の不斉合成も達成

                                                                                              - キラル配位子で高いエナンチオ選択性


                                                                                          2: アヌレーション反応  

                                                                                          ジオールとの環化で多様な環状ケトンを合成

                                                                                              - 5員環、6員環、7員環環状体  

                                                                                              - 高い立体選択性


                                                                                          不斉触媒的変換で高いエナンチオ選択性

                                                                                              - キラル環化生成物の一段階構築


                                                                                          考察

                                                                                          1: Ph*基の立体反発によるユニークな反応性

                                                                                          カルボニル基の1,2-付加を抑制

                                                                                          エノラート形成を許容  


                                                                                          2: 環境調和型プロセス

                                                                                          水素借用型アルキル化は水のみを副生成物とする


                                                                                          3: 芳香環の嵩高さが選択性に影響  

                                                                                          ジアステレオ選択性向上

                                                                                          エナンチオ選択性向上


                                                                                          4: 結晶性の向上による利点

                                                                                          単結晶X線解析が可能

                                                                                          再結晶による光学純度向上  


                                                                                          5: 限界点

                                                                                          γ-アミノPh*ケトン類でラセミ化が問題になり、窒素へのトリチル保護基の導入が必要

                                                                                          Ph*基の導入が困難な基質では新規導入法の開発が必要


                                                                                          結論

                                                                                          Ph*ケトンの特異な構造と反応性が有機合成に有用

                                                                                              - 新規変換反応の開発が可能

                                                                                              - 高選択的な環化や不斉合成  

                                                                                          官能基変換法の確立で合成等価体としての価値向上


                                                                                          将来の展望

                                                                                          今後のさらなる活用と方法論拡張が期待される

                                                                                          2017年1月2日月曜日

                                                                                          時短のためにやっていること

                                                                                          時短って大事ですよね。

                                                                                          一日って長いようで短いですし、
                                                                                          ボスからのプレッシャーとかもありますし、
                                                                                          一ヶ月って長いようで短いですし、
                                                                                          ボスからのプレッシャーとかもありますし、
                                                                                          一年って長いようで短いですし、
                                                                                          ボスからのプレッシャーとかもありますし、
                                                                                          ドラマの再放送を見たい日に限って
                                                                                          ボスからのプレッシャーとかがありますし

                                                                                          そんなわけで、やっぱり末端の駒たる我々にとって
                                                                                          自分の時間を確保するためには、時短が大事です。

                                                                                          そこで、普段私が時短のために行っていることを、
                                                                                          思い付く限り書き連ねていこうと思います。

                                                                                          あくまで、時短をやるのはボスのためでもラボのためでもなく、自分の時間を確保するためにやるものです。
                                                                                          誰かのための時短は自分の首を絞めるだけです。

                                                                                          反応準備編
                                                                                          まず、一番大事なのはちょっとした時間に机の上を常にきれいにしておくことだと思います。
                                                                                          結局のところ、準備段階でコードがひっかかってなにかが倒れたり、あるいはガラス器具を割ってその後処理をする事になると、時間が減る上にモチベーションも下がります。
                                                                                          また、それと関連して、試薬の整理(場所の把握)とコードをねじりっこで束ねておくこと等も時短に繋がります。

                                                                                          反応の準備としては、反応容器、撹拌子、クランプ、スターラー、蛇腹、試薬、薬包紙、(紙)ろうとなどがあります。
                                                                                          言うまでもなく、反応容器と撹拌子は当然前日に準備できるならすべきですし、クランプやスターラーと蛇腹の位置も確定できるならしておくべきですね。(まぁヒートガン派閥の人もいますが)
                                                                                          薬包紙と紙ろうとに関してですが、薬包紙折るくらいなら良いですが紙ろうとなどは大量生産してTLCと同様に筒状の容器にストックしておくのが良いです。
                                                                                          要は、朝の作業を試薬を量って入れるだけにしておくと、低血圧で朝は本当になにもしたくない気持ちが強い自分でも朝から反応を仕込むことができてます。

                                                                                          反応中
                                                                                          精製の準備や先の紙ろう斗の量産やデータ整理などのタスク処理か、仮眠をとる。
                                                                                          タスク処理はまだしも、仮眠が時短というのには疑問を持たれるかもしれませんが、反応後の後処理と精製は最も体力を消費します。
                                                                                          つまりは仮眠というインベストメントなのです。

                                                                                          反応後
                                                                                          小スケールでは,TLCで分離条件が確定しているならまぶし法で分けるのが手っ取り早いと思います。
                                                                                          しかし,小スケール以外ではカラムは極力回避したいです。
                                                                                          カラムそのものにかかる時間もさることながら,大量の溶媒の濃縮や留去にかかる時間もばかにならないので,急がば回れで小スケールで単離した化合物の溶解度を調べておいて,再結晶や洗浄で精製したいところです。

                                                                                          合成に関連する作業に関して,昨年を振り返って思った時短のためにやっていることはこれくらいですかね。
                                                                                          他にもあるかもしれませんが,そのときはまたその2として書き連ねたいと思います。


                                                                                          2016年5月1日日曜日

                                                                                          【有機単結晶の作り方】〜その2〜

                                                                                          お久しぶりです。


                                                                                          前回の最後に、「自分なりのノウハウや特殊なやり方を紹介しようと思います。」と言ったきりで、
                                                                                          長らく更新しないままずいぶんと日が経ってしまいましたね。


                                                                                          早速ですが、自分なりのノウハウの部分についてまずは解説しようと思います。
                                                                                          有機単結晶を得るための再結晶でよく問題になるのが、
                                                                                          ・綿状もしくは、もやがかかったようにしかならない
                                                                                          ・(結晶性は良いが)針状の結晶しか析出しない
                                                                                          の2点かと思います(他にも特殊なケースは存在するかと存じますが)。

                                                                                          それで筆者のケーススタディについて話す前に少しばかり語ります。
                                                                                          (ここからは筆者の妄想ですので、飛ばしていただいても結構です)

                                                                                          はじめに、化学熱力学を思い出してください
                                                                                          「ギブズ自由エネルギーGの変化が負であれば化学反応は自発的に起こる。」
                                                                                          エンタルピーH、温度T、エントロピーSとして
                                                                                          G=H-TS
                                                                                          で表される例のあの式ですね。

                                                                                          結晶化という現象はエントロピーが減少しているにもかかわらず、
                                                                                          自発的に反応が進行しているわけです。

                                                                                          すなわち、結晶化は分子間の結合の組み代わりを伴わない発熱反応なのです。





                                                                                          以上を踏まえてまず、
                                                                                          「綿状もしくは、もやがかかったようにしかならない」についてですが、
                                                                                          これの原因は筆者の経験上、
                                                                                          析出速度が速すぎるか分子間で複数の相互作用が競合しているかのどちらかだと考えています。
                                                                                          前者は単純に溶媒量や温度変化をコントロールすれば解決できることが多いです。

                                                                                          最近、知人から教えてもらった気相拡散法の析出速度のコントロール手段として、
                                                                                          サンプルを溶かしたバイアルを入れた容器を、シリカゲルを入れたバイアルの中に入れるという手法があります。
                                                                                          これは単一溶媒からの析出速度を温度やふたに開ける穴の大きさなどという再現性の低いものではなく、
                                                                                          秤量できるシリカゲルの量で操れるので筆者としては使えるという印象です。

                                                                                          上記の方法や溶媒量や温度変化でも、綿状もしくはもやがかかったようにしかならない場合、
                                                                                          分子間で複数の置換基の相互作用が競合しているために分子が整列しないのとだと考えます。

                                                                                          なので、官能基を変換できるなら変換してから再検討すべきですが、
                                                                                          どうしてもこれでしかやるしかないという時もあります。

                                                                                          そんなときは、はっきり言って半分根性論です。
                                                                                          参考になるかわかりませんが、
                                                                                          筆者のケースでは、わざとDABCOを混ぜることでDABCOと目的化合物の混合物として単結晶を得たこともあります。
                                                                                          こればかりは分子によって官能基の種類や数はまちまちですし、
                                                                                          筆者も未だ法則化できるほどのノウハウはありません。
                                                                                          とことん自分の合成した分子の気持ちになってください。

                                                                                          固体として溶液から析出してくる限り、一歩ずつ進めば必ず単結晶は得られると筆者は信じています。
                                                                                          必ず検討した条件(溶媒の種類と量、温度、時間)と析出の度合い(綿やもやの状態と濃さ、場所)など
                                                                                          記録できることはすべてを必ず記録してください。
                                                                                          そのうち、その分子の気持ちがわかってきます(笑)
                                                                                          あと、できるなら条件とともに写真を撮っておくほうがいいです。

                                                                                          また、実は結晶が析出していたのに見逃していたなんてことのないように
                                                                                          (無色の結晶は、屈折率の関係でものすごく見えにくい場合があります)
                                                                                          必ずよく確認してください。





                                                                                          次に、「針状の結晶しか析出しないケース」についてですが、
                                                                                          これはいわゆる結晶性が良い(多環芳香族)化合物などの結晶化の際に
                                                                                          問題になります。
                                                                                          ここで考えるべきは、何が原因で針状に結晶化してしまっているのかということです。

                                                                                          芳香族分子が針状に結晶化するケースの原因は、
                                                                                          分子間のπ-πの相互作用が強いことだと容易に想像できます。

                                                                                          このようなケースでは析出速度を溶媒量や温度変化でコントロールすることで解決できることもありますが、
                                                                                          難しいケースでは析出速度を変化させてもあまり効果がないというのが筆者の印象です。

                                                                                          そこで筆者の解決法としては、極性溶媒を使って分子間でπ-πの相互作用がしにくくなるもしくはそれよりも強い相互作用の環境下で析出させます。

                                                                                          よく使うのは二硫化炭素か、NMPやDMFなどの非プロトン性極性溶媒です。
                                                                                          ただ、二硫化炭素は結晶溶媒として取り込まれやすく、またディスオーダーするので
                                                                                          最終手段としての使用をお勧めします。
                                                                                          極性溶媒への溶解度が乏しいケースではODCBに溶かして、
                                                                                          貧溶媒として沸点の軽いエーテルやカルボニル系の溶媒を使用する方法です。



                                                                                          以上、あまり役に立つような中身のある話の少ない【有機単結晶の作り方】〜その2〜 】でした。

                                                                                          それではまた


                                                                                          2015年3月26日木曜日

                                                                                          TCIのTシャツ当たりました

                                                                                          第95回日本化学会年会にて
                                                                                          TCIブースにて一等賞のTシャツを頂きました

                                                                                          おい!再結晶やったか?

                                                                                          正直、当選する気しかしなかったですね

                                                                                          まず第一に、
                                                                                          私が所属する大学で
                                                                                          TCIで試薬を一番多く注文しているのが
                                                                                          おそらく私だということ
                                                                                          次に、
                                                                                          私の後輩に対する口癖が
                                                                                          まさにこのフレーズであると言うこと
                                                                                          最後に、
                                                                                          おそらく誰が見ても
                                                                                          私に似合っていると言うであろうということ

                                                                                          これはもう
                                                                                          運命の出会い
                                                                                          と言っても過言ではないかもしれません

                                                                                          最後になりましたが
                                                                                          TCI様の益々のご発展を心よりお祈り申し上げます