論文のタイトル: Automated Continuous Crystallization Platform with Real-Time Particle Size Analysis via Laser Diffraction(自動連続晶析プラットフォームのレーザー回折によるリアルタイム粒子サイズ分析)
著者: Sayan Pal, Arun Pankajakshan, Maximilian O. Besenhard, Nicholas Snead, Juan Almeida, Shorooq Abukhamees, Duncan Craig, Federico Galvanin, Asterios Gavriilidis, Luca Mazzei*
雑誌: Organic Process Research & Development
巻: 28, 7, 2755–2764
出版年: 2024年
背景
1: 研究の重要性
製薬産業で第4次産業革命が進行中
粒子プロセスと懸濁液処理が自動化の大きな課題
リアルタイム粒子サイズ分析の実装が困難
晶析プロセス開発には時間のかかる実験スクリーニングが必要
2: 研究目的
自動化された連続晶析プラットフォームの開発
オンラインレーザー回折による即時結晶サイズ分析
晶析プロセスパラメータと結晶器設計空間の迅速なスクリーニング
最小限の実験労力で効率的な開発を実現
3: 期待される成果
完全自動化された晶析システムの実現
リアルタイム粒子サイズ測定と表示
プロセスパラメータの迅速なスクリーニングと最適化
製薬晶析プロセス開発の加速化
方法
1: システム構成
閉じ込められた衝突ジェット反応器(CIJR)による反溶媒晶析
自動サンプル希釈システム
オンラインレーザー回折(LD)分析器
LabVIEW、Python、PharmaMVによるソフトウェア統合
2: 自動化プロセス
事前に計画された実験の自動実行
リアルタイム粒子サイズ測定と表示
サンプル準備、LD分析、洗浄の自動化
グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)による制御
3: 実験条件
イブプロフェンの反溶媒晶析をケーススタディとして使用
エタノールを溶媒、水をSoluplus添加剤と共に反溶媒として使用
反溶媒流量: 4 mL/min
反溶媒/溶媒比: 5〜9の範囲で変化
結果
1: システム検証
ポリスチレン粒子標準(2μmと15μm)を使用して検証
予測された平均粒子サイズと測定値を比較
大部分の実験で予測値と一致
二峰性分布では、測定値が予測値よりも一貫して低い傾向
2: イブプロフェン晶析
20-50 μmの範囲でイブプロフェン結晶を生成
体積基準の粒度分布は広く、複数のピークを示す
光学顕微鏡画像で多分散性を確認
サブミクロンの小粒子と10 μm以下の大粒子が共存
3: プロセスパラメータの影響
反溶媒/溶媒比の増加により平均粒子サイズが減少
高い過飽和度による核形成速度の上昇が原因と推測
添加剤濃度1.5 wt%以上では結晶安定化効果に大きな変化なし
測定された粒子サイズの標準偏差は10%未満で再現性良好
考察
1: 主要な発見
完全自動化された晶析プラットフォームの実現
オンラインLD分析による即時粒子サイズ測定の成功
反溶媒/溶媒比が結晶サイズに与える影響の定量化
自動希釈システムによる再現性の高いLD測定の実現
2: システムの利点
事前計画実験の自動実行によるスクリーニングの効率化
リアルタイム測定によるプロセス理解の向上
モジュール設計による異なる結晶器や分析技術への適用可能性
人的介入の最小化による実験の再現性向上
3: 測定の課題
体積基準分布による大粒子の過大評価
凝集体の存在による平均粒子サイズへの影響
数基準分布では10 μm以下の粒子のみ検出
LDシステムの測定下限(400 nm)による微小粒子の検出限界
4: 研究の限界
特定の結晶系(イブプロフェン)のみでの検証
凝集や閉塞を避けるための限定的な操作条件範囲
体積基準分布と数基準分布の解釈の難しさ
ナノ粒子範囲での測定精度の課題
結論
自動連続晶析プラットフォームの開発と検証に成功
リアルタイム粒子サイズ分析によるプロセス開発の加速化
反溶媒晶析の迅速なパラメータスクリーニングが可能に
将来の展望
閉ループ制御と自己最適化システムの開発
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