2024年10月13日日曜日

Catch Key Points of a Paper ~0154~

論文のタイトル: Automated Continuous Crystallization Platform with Real-Time Particle Size Analysis via Laser Diffraction(自動連続晶析プラットフォームのレーザー回折によるリアルタイム粒子サイズ分析)

著者: Sayan Pal, Arun Pankajakshan, Maximilian O. Besenhard, Nicholas Snead, Juan Almeida, Shorooq Abukhamees, Duncan Craig, Federico Galvanin, Asterios Gavriilidis, Luca Mazzei*

雑誌: Organic Process Research & Development

巻: 28, 7, 2755–2764

出版年: 2024年


背景

1: 研究の重要性

製薬産業で第4次産業革命が進行中

粒子プロセスと懸濁液処理が自動化の大きな課題

リアルタイム粒子サイズ分析の実装が困難

晶析プロセス開発には時間のかかる実験スクリーニングが必要


2: 研究目的

自動化された連続晶析プラットフォームの開発

オンラインレーザー回折による即時結晶サイズ分析

晶析プロセスパラメータと結晶器設計空間の迅速なスクリーニング

最小限の実験労力で効率的な開発を実現


3: 期待される成果

完全自動化された晶析システムの実現

リアルタイム粒子サイズ測定と表示

プロセスパラメータの迅速なスクリーニングと最適化

製薬晶析プロセス開発の加速化


方法

1: システム構成

閉じ込められた衝突ジェット反応器(CIJR)による反溶媒晶析

自動サンプル希釈システム

オンラインレーザー回折(LD)分析器

LabVIEW、Python、PharmaMVによるソフトウェア統合


2: 自動化プロセス

事前に計画された実験の自動実行

リアルタイム粒子サイズ測定と表示

サンプル準備、LD分析、洗浄の自動化

グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)による制御


3: 実験条件

イブプロフェンの反溶媒晶析をケーススタディとして使用

エタノールを溶媒、水をSoluplus添加剤と共に反溶媒として使用

反溶媒流量: 4 mL/min

反溶媒/溶媒比: 5〜9の範囲で変化


結果

1: システム検証

ポリスチレン粒子標準(2μmと15μm)を使用して検証

予測された平均粒子サイズと測定値を比較

大部分の実験で予測値と一致

二峰性分布では、測定値が予測値よりも一貫して低い傾向


2: イブプロフェン晶析

20-50 μmの範囲でイブプロフェン結晶を生成

体積基準の粒度分布は広く、複数のピークを示す

光学顕微鏡画像で多分散性を確認

サブミクロンの小粒子と10 μm以下の大粒子が共存


3: プロセスパラメータの影響

反溶媒/溶媒比の増加により平均粒子サイズが減少

高い過飽和度による核形成速度の上昇が原因と推測

添加剤濃度1.5 wt%以上では結晶安定化効果に大きな変化なし

測定された粒子サイズの標準偏差は10%未満で再現性良好


考察

1: 主要な発見

完全自動化された晶析プラットフォームの実現

オンラインLD分析による即時粒子サイズ測定の成功

反溶媒/溶媒比が結晶サイズに与える影響の定量化

自動希釈システムによる再現性の高いLD測定の実現


2: システムの利点

事前計画実験の自動実行によるスクリーニングの効率化

リアルタイム測定によるプロセス理解の向上

モジュール設計による異なる結晶器や分析技術への適用可能性

人的介入の最小化による実験の再現性向上


3: 測定の課題

体積基準分布による大粒子の過大評価

凝集体の存在による平均粒子サイズへの影響

数基準分布では10 μm以下の粒子のみ検出

LDシステムの測定下限(400 nm)による微小粒子の検出限界


4: 研究の限界

特定の結晶系(イブプロフェン)のみでの検証

凝集や閉塞を避けるための限定的な操作条件範囲

体積基準分布と数基準分布の解釈の難しさ

ナノ粒子範囲での測定精度の課題


結論

自動連続晶析プラットフォームの開発と検証に成功

リアルタイム粒子サイズ分析によるプロセス開発の加速化

反溶媒晶析の迅速なパラメータスクリーニングが可能に


将来の展望

閉ループ制御と自己最適化システムの開発

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