2024年5月26日日曜日

Catch Key Points of a Paper ~0039~

論文のタイトル: Eosin, blue LEDs and DIPEA are employed in a simple synthesis of (poly)cyclic O,O- and N,O-acetalsO,O-およびN,O-アセタールの簡単な合成におけるエオシン、青色LEDおよびDIPEAの使用)

著者: Ioannis Papadopoulos, Artemis Bosveli, Tamsyn Montagnon, Ioannis Zachilas, Dimitris Kalaitzakis, Georgios Vassilikogiannakis 

雑誌: Chemical Communications

出版年: 2024


背景

1: 研究の背景

剛直な(ポリ)環状構造は医薬品開発で有利

sp3炭素が多く、適切に配置されたヘテロ原子を含む

タンパク質との結合が強く、膜透過能が高い


2: 未解決の問題

基質の複雑な前駆体合成が必要

金属や有毒な試薬の使用

高エネルギーUV光の使用


3: 研究の目的  

単純な条件で(ポリ)環状O,O-およびN,O-アセタールを合成する新規一段階手法の開発

可視光線、エオシン光触媒、グリーン溶媒の使用


方法

1: 研究デザイン

新規光触媒反応の開発と最適化


2: 基質と試薬

エノールエーテル、N-アシルエナミン、Boc保護エナミンを基質

エオシン光増感剤、DIPEA、青色LEDを使用


3: 反応検討

モデル基質で反応条件を確立  

各基質での反応性を検討


4: 生成物の同定・収率測定

1H NMR、質量分析などで生成物を同定

生成物の単離収率を決定


結果

1: エノールエーテルの反応結果

モデル基質からのO,O-アセタール生成 (75%収率)

様々なエノールエーテル由来のO,O-アセタール合成(65-80%収率)


2: N-アシルエナミンの反応結果 

N-アシルエナミン由来のN,O-アセタール合成 (63-76%収率) 


3: Boc保護エナミンの反応結果

Boc保護エナミン由来のN,O-アセタール合成 (42-65%収率)

一段階手法による(ポリ)環状アセタールの簡便合成


考察  

1: 主要な発見

可視光線/エオシン/DIPEA条件でStork-Ueno型環化が進行

これまで困難だった(ポリ)環状アセタールが簡便に合成可能

エノールエーテル、N-アシルエナミン、Boc保護エナミンに適用可能


2: 先行研究との比較

従来法に比べ、基質の前合成が簡単

金属や有毒試薬を使用せず、環境負荷が小さい


3: 反応機構の考察

DIPEAの多機能的な役割が重要

光増感剤の励起状態を失活、ラジカル中間体の発生


4: 限界点

ステップ数が2段階に限られる

ラジカル反応のため、一部の基質では適用が困難


結論

可視光線/エオシン/DIPEA条件で(ポリ)環状O,O-およびN,O-アセタールが簡便に合成可能

基質の幅が広く、環境負荷が小さい新規一段階手法


将来の展望

今後は反応の適用範囲拡大や連続的な反応開発が期待される

医薬品開発など幅広い分野への波及効果が見込まれる

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