2024年11月3日日曜日

Catch Key Points of a Paper ~0174~

論文のタイトル: Multi-modal control over the assembly of a molecular motor bola-amphiphile in water(水中における分子モーターボラ両親媒性化合物の集合体形成の多重制御)

著者: Fan Xu, Lukas Pfeifer, Marc C. A. Stuart, Franco King-Chi Leung* and Ben L. Feringa*

雑誌: Chemical Communications

巻: Volume56, 7451-7454

出版年: 2020年


背景

1: 超分子システムの重要性

自然界の非共有結合による集合体形成は人工超分子システム設計の基礎

外部刺激に応答する超分子システムの開発が進展

水中での小分子有機化合物の自己集合制御が注目

光、pH、イオンなどの外部刺激による制御が可能


方法

1: 分子設計

第一世代分子モーターをベースに設計

カルボキシル基を両末端に配置

シス体-トランス体の光異性化が可能

pHおよびイオン応答性を付与


結果

1: 光応答性

トランス体からシス体への312 nm光照射による異性化

PSS状態でのシス体:トランス体比は63:37

365 nm光照射による可逆的な異性化

1H NMRによる構造確認


2: 集合体構造の光制御

トランス体: シート状構造を形成

光照射後: ミセルおよびベシクル構造への変化

365 nm光照射で元のシート状構造に回復

加熱-冷却サイクルで完全な構造回復


3: pH応答性

pH 8.8: シート状構造

pH 9.8: ディスク状構造(直径30-40nm)

pH 11.0: ミセル構造(直径4-5nm)

pHによる集合体構造の可逆的制御


4: イオン応答性

NaCl添加: ベシクル形成(直径100-200nm)

CaCl2添加: マクロスコピックな凝集体形成

Ca2+イオンとカルボキシレート基の強い相互作用

イオン種による異なる集合体構造


考察

1: 研究の特色

多重刺激応答性の実現

光・pH・イオンによる独立した構造制御

可逆的な構造変化の達成

分子設計の有効性の実証


結論

水中での分子モーター集合体の多重制御を実現

光・pH・イオンによる異なる集合体構造の形成

超分子材料の新しい設計指針の提示


将来の展望

環境適応材料やデリバリーシステムへの応用可能性


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