2024年11月15日金曜日

Catch Key Points of a Paper ~0187~

論文のタイトル: Benzylic Ammonium Ylide Mediated Epoxidations(ベンジルアンモニウムイリドを用いたエポキシ化反応の開発)

著者: Lukas Roiser, Raphaël Robiette, Mario Waser

雑誌名: Synlett

巻: Volume27, Issue13, 1963-1968

出版年: 2016

DOI: https://doi.org/10.1055/s-0035-1562344


背景

1: オニウムイリドの特徴と課題

オニウムイリドは立体選択的なエポキシ化反応に有用

スルホニウムイリドは広く利用されている

アンモニウムイリドは相対的に使用頻度が低い

アミノ基の脱離能力が低いことが主な課題


2: 既存研究の問題点

DABCOやキヌクリジンを用いた従来法では収率が低い(40%以下)

電子供与基を持つ基質では選択性が低下

電子求引基を持つ基質でのみ高収率・高選択性を達成

より効率的な手法の開発が必要


3: 研究の目的

トリメチルアミン基を有するアンモニウム塩の使用

反応条件の最適化による収率向上

立体選択性に影響を与える要因の解明

DFT計算による反応機構の解析


方法

1: 実験条件の最適化

溶媒:THF

塩基:t-BuOK

温度:40℃

反応時間:3時間

アンモニウム塩とアルデヒドの比率:1:2


結果

1: 反応条件の影響

塩基量4当量で最高収率93%を達成

反応温度40℃が最適

トリメチルアミン基がDABCOやEt3Nより高収率

trans:cis比は66:34で中程度の選択性


2: 基質適用範囲

電子求引基を持つ基質で高収率・高選択性

電子供与基を持つ基質でも高収率を維持

芳香族アルデヒドが良好な基質

脂肪族アルデヒドは低収率


考察

1: 反応機構の考察

DFT計算により反応経路を解析

ベタイン中間体の形成が可逆的

トリメチルアミン基の優れた脱離能力を確認

電子効果が立体選択性に影響


2: 選択性制御の要因

電子求引基による中間体の安定化

脱離過程が選択性決定段階

トリメチルアミン基による副反応の抑制

競合反応の低減による高収率の達成


結論

トリメチルアミン基による高収率エポキシ化の達成

基質適用範囲の拡大に成功

反応機構の詳細な解明


将来の展望

新規エポキシ化反応への展開

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