論文のタイトル: Benzylic Ammonium Ylide Mediated Epoxidations(ベンジルアンモニウムイリドを用いたエポキシ化反応の開発)
著者: Lukas Roiser, Raphaël Robiette, Mario Waser
雑誌名: Synlett
巻: Volume27, Issue13, 1963-1968
出版年: 2016
DOI: https://doi.org/10.1055/s-0035-1562344
背景
オニウムイリドは立体選択的なエポキシ化反応に有用
スルホニウムイリドは広く利用されている
アンモニウムイリドは相対的に使用頻度が低い
アミノ基の脱離能力が低いことが主な課題
2: 既存研究の問題点
DABCOやキヌクリジンを用いた従来法では収率が低い(40%以下)
電子供与基を持つ基質では選択性が低下
電子求引基を持つ基質でのみ高収率・高選択性を達成
より効率的な手法の開発が必要
3: 研究の目的
トリメチルアミン基を有するアンモニウム塩の使用
反応条件の最適化による収率向上
立体選択性に影響を与える要因の解明
DFT計算による反応機構の解析
方法
1: 実験条件の最適化
溶媒:THF
塩基:t-BuOK
温度:40℃
反応時間:3時間
アンモニウム塩とアルデヒドの比率:1:2
結果
1: 反応条件の影響
塩基量4当量で最高収率93%を達成
反応温度40℃が最適
トリメチルアミン基がDABCOやEt3Nより高収率
trans:cis比は66:34で中程度の選択性
2: 基質適用範囲
電子求引基を持つ基質で高収率・高選択性
電子供与基を持つ基質でも高収率を維持
芳香族アルデヒドが良好な基質
脂肪族アルデヒドは低収率
考察
1: 反応機構の考察
DFT計算により反応経路を解析
ベタイン中間体の形成が可逆的
トリメチルアミン基の優れた脱離能力を確認
電子効果が立体選択性に影響
2: 選択性制御の要因
電子求引基による中間体の安定化
脱離過程が選択性決定段階
トリメチルアミン基による副反応の抑制
競合反応の低減による高収率の達成
結論
トリメチルアミン基による高収率エポキシ化の達成
基質適用範囲の拡大に成功
反応機構の詳細な解明
将来の展望
新規エポキシ化反応への展開
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