2024年11月22日金曜日

Catch Key Points of a Paper ~0194~

論文のタイトル: New Facile Synthesis of Adamantyl Isothiocyanates(アダマンチルイソチオシアネートの新規合成法の開発)

著者: Vladimir Burmistrov  , Dmitry Pitushkin , Gennady Butov*

雑誌名: SynOpen 

巻: Volume 01, Issue 01, 121-124

出版年: 2017

DOI: https://doi.org/10.1055/s-0036-1588574


背景

1: 研究の意義(アダマンチルイソチオシアネートの重要性)

生物活性化合物の合成における重要な前駆体

可溶性エポキシドヒドロラーゼ阻害剤の開発に有用

ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子の阻害剤として期待

医薬品化学で広く使用される尿素類への変換が可能


2: 従来法の課題(既存合成法の問題点)

腐食性または有毒な試薬の使用が必要

CS2とNaOHを使用する方法の危険性

チオホスゲンとCaCO3を用いる方法の毒性

触媒を必要とする現代的手法の複雑さ

単純で効果的な合成法の欠如


方法

1: 新規合成法(合成手法の概要)

フェニルイソチオシアネートとアダマンチルアミンの反応

溶媒としてp-キシレンを使用

還流条件下で3時間反応

室温まで冷却後、濃塩酸で処理

生成物の単離・精製


結果

1: 反応条件の最適化

p-キシレン中での還流が最も高収率

反応温度は還流温度が最適

試薬比率は1:2(アミン:イソチオシアネート)が効果的

非極性溶媒中での反応が有利

塩基性溶媒では収率が低下


2: 各種アダマンチルイソチオシアネートの合成例と収率

1-アダマンチルイソチオシアネート:95%

3,5-ジメチルアダマンチルイソチオシアネート:80%

3,5,7-トリメチルアダマンチルイソチオシアネート:75%

2-アダマンチルイソチオシアネート:92%


考察

1: 反応機構の考察

チオウレア中間体の形成

フェニルイソチオシアネートによる機能基交換

溶媒の極性が反応に影響

チオウレアの溶解性が重要

反応の選択性が高い


結論

簡便な新規合成法の確立

触媒不要での高収率達成

穏和な条件下での反応

様々な置換基を持つ誘導体の合成が可能


将来の展望

医薬品開発への応用

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