論文のタイトル: New Facile Synthesis of Adamantyl Isothiocyanates(アダマンチルイソチオシアネートの新規合成法の開発)
著者: Vladimir Burmistrov , Dmitry Pitushkin , Gennady Butov*
雑誌名: SynOpen
巻: Volume 01, Issue 01, 121-124
出版年: 2017
DOI: https://doi.org/10.1055/s-0036-1588574
背景
生物活性化合物の合成における重要な前駆体
可溶性エポキシドヒドロラーゼ阻害剤の開発に有用
ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子の阻害剤として期待
医薬品化学で広く使用される尿素類への変換が可能
2: 従来法の課題(既存合成法の問題点)
腐食性または有毒な試薬の使用が必要
CS2とNaOHを使用する方法の危険性
チオホスゲンとCaCO3を用いる方法の毒性
触媒を必要とする現代的手法の複雑さ
単純で効果的な合成法の欠如
方法
1: 新規合成法(合成手法の概要)
フェニルイソチオシアネートとアダマンチルアミンの反応
溶媒としてp-キシレンを使用
還流条件下で3時間反応
室温まで冷却後、濃塩酸で処理
生成物の単離・精製
結果
1: 反応条件の最適化
p-キシレン中での還流が最も高収率
反応温度は還流温度が最適
試薬比率は1:2(アミン:イソチオシアネート)が効果的
非極性溶媒中での反応が有利
塩基性溶媒では収率が低下
2: 各種アダマンチルイソチオシアネートの合成例と収率
1-アダマンチルイソチオシアネート:95%
3,5-ジメチルアダマンチルイソチオシアネート:80%
3,5,7-トリメチルアダマンチルイソチオシアネート:75%
2-アダマンチルイソチオシアネート:92%
考察
1: 反応機構の考察
チオウレア中間体の形成
フェニルイソチオシアネートによる機能基交換
溶媒の極性が反応に影響
チオウレアの溶解性が重要
反応の選択性が高い
結論
簡便な新規合成法の確立
触媒不要での高収率達成
穏和な条件下での反応
様々な置換基を持つ誘導体の合成が可能
将来の展望
医薬品開発への応用
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