2024年11月8日金曜日

Catch Key Points of a Paper ~0180~

論文のタイトル: Catalyst-Free, Three-Component Synthesis of Amidinomaleimides(触媒フリーな三成分カップリングによるアミジノマレイミドの合成)

著者: Wyatt R. Swift-Ramirez, Lindsay A. Whalen, Lia K. Thompson, Kaylee E. Shoemaker, Aris R. Rubio, and Gregory A. Weiss*

雑誌: Journal of Organic Chemistry

巻: Volume89, Issue18, 13756–13761

出版年: 2024年


背景

1: アミジン化合物の重要性

アミジン官能基は多様な生物活性を持つ

抗菌作用、抗炎症作用、鎮痛作用を示す

抗血小板作用も報告されている 

医薬品開発において注目される構造


2: 従来の合成法の課題

従来の合成法は金属触媒を必要とする

高温条件が必要

強い電子吸引性アジドを必要とする

グリーンケミストリーの観点から改善が必要


3: 研究の目的

触媒フリーな三成分カップリング反応の開発

マイルドな条件での合成法確立

水系溶媒での反応を可能に

カラムクロマトグラフィーなしでの精製を目指す


方法

1: 反応設計

アジドマレイミドを主要な出発物質として使用

アルデヒドと二級アミンを反応基質として選択

エナミン中間体を経由する反応機構を想定

一段階での多成分カップリングを計画


2: 最適化条件の検討

溶媒の種類と比率の検討

反応温度の影響評価(25-60℃)

反応時間の最適化(0.5-18時間)

基質濃度の調整


3: 基質適用範囲の評価

様々なアルデヒド類での検討

異なる二級アミン類での検討

異なるマレイミド類での検討

トリペプチドでの反応性確認


結果

1: 最適反応条件

溶媒:メタノール/酢酸エチル混合系が最適

温度:40℃で良好な収率

反応時間:18時間で高収率

基質比:1.25当量の過剰量が最適


2: 基質適用範囲

アルデヒド:62-66%の収率

二級アミン:68-89%の収率

環状・非環状アミン共に良好

トリペプチドでも87-91%の変換率


3: 生成物の特徴

E体選択的な生成

DMSO中で4ヶ月安定

多くの場合カラム精製不要

最大4つの異なる置換基導入可能


考察

1: 反応機構の考察

エナミン形成が初期段階

1,3-双極子付加反応が進行

トリアゾリン中間体を経由

窒素放出による反応の進行


2: 本手法の利点

触媒フリーな条件

マイルドな反応条件

簡便な精製方法

モジュラー性の高い合成法


3: 研究の限界点

シリカゲルでの分解

チオール-マレイミドクリック反応との非互換性

一部の基質での低収率

未保護カルボン酸との非互換性


結論

新規な触媒フリー三成分カップリング反応の開発

広い基質適用範囲の実証

簡便な精製法の確立


将来の展望

医薬品合成への応用

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