論文のタイトル: Rare Gold-Catalyzed 4-exo-dig Cyclization for Ring Expansion of Propargylic Aziridines toward Stereoselective (Z)-Alkylidene Azetidines, via Diborylalkyl Homopropargyl Amines(プロパルギルアジリジンの金触媒4-exo-dig環化による立体選択的(Z)-アルキリデンアゼチジンの合成)
著者: Oriol Salvadó, Jorge Pérez-Ruíz, Alba Mesas, M. Mar Díaz-Requejo,* Pedro J. Pérez,* and Elena Fernández*
雑誌: Organic Letters
巻: Volume26, Issue36, 7535–7540
出版年: 2024年
背景
1: 研究の背景(分子設計における環の大きさの重要性)
分子の骨格修正は、化学空間の微細な変更を考慮して行われる
環のサイズ変更は生物活性に大きな影響を与える
分子設計における結合の切断と再結合は重要な戦略
アジリジンからアゼチジンへの環拡大は挑戦的な課題
2: 既存の手法(アジリジンからアゼチジンへの既存の環拡大法)
バイオ触媒を用いた[1,2]-Stevens転位
フェナシルブロミド誘導体を用いたアンモニウムイリド経由の手法
可視光を用いた1-ブロモ-1-ニトロアルカンとの反応
これらの手法は全て外部からの炭素導入が必要
方法
1: 合成戦略(新規環拡大反応の設計)
プロパルギルアジリジンを出発物質として使用
α-ジボリルアルキルリチウム塩による位置選択的開環
金触媒を用いた環化反応
立体選択的な(Z)-2-アルキリデン-1-トシルアゼチジンの形成
結果
1: ジボリルアルキル化による位置選択的開環反応」
LDAを用いたジボリルアルカンの活性化
THF中、室温で16時間の反応
電子的性質により立体的に混んだ位置で開環が進行
高い位置選択性で目的物を取得(収率75-81%)
2: 金触媒による環化反応の特徴
[AuCl(PEt3)]/AgOTf触媒系を使用
90℃、16時間で反応を実施
4-exo-dig環化により4員環を形成
立体選択的に(Z)-アルキリデンアゼチジンを生成
考察
1: 反応機構の特徴
Baldwinの規則では不利とされる4-exo-dig環化
鈍角での攻撃により環化が可能に
プロパルギル位のメチル基の有無で環化様式が変化
電子供与基・求引基の効果を確認
結論
新規な4員環形成法の開発に成功
立体選択的な(Z)-アルキリデンアゼチジン合成を実現
生物活性が期待される骨格の効率的合成法を確立
抗菌活性を持つ可能性のある化合物群へのアクセスを実現
将来の展望
天然物合成などへの適用範囲の拡大
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