論文のタイトル: Dimethyl Cyclohexanone-2,6-Dicarboxylate(ジメチル シクロヘキサノン-2,6-ジカルボキシレートの合成法)
著者: S. N. Balasubrahmanyam and M. Balasubramanian
雑誌名: Organic Syntheses
巻: Volume49, 56
出版年: 1969
DOI: https://doi.org/10.15227/orgsyn.049.0056
背景
シクロヘキサノン誘導体の合成は有機合成化学において重要
既存の合成法は主に2つの方法が知られている
ジメチルアセトンジカルボキシレートのアルキル化
シクロヘキサノンのカルボキシル化
活性メチレン化合物のカルボキシル化の新しい一般的手法が必要
2: 合成法の特徴
マグネシウムエノレートを利用した合成法
キレート効果による安定化が特徴
隣接するカルボキシレートアニオンとの相互作用
高い選択性と効率性を実現
方法
1: 合成の主要工程
マグネシウムリボンとメタノールの反応
ジメチルホルムアミド中での二酸化炭素の導入
シクロヘキサノンの添加と反応
塩化水素処理による最終生成物の取得
2: 重要な実験条件
反応は窒素雰囲気下で実施
温度管理が重要(0-55℃の範囲)
溶媒の純度管理が必須
反応時間の厳密な制御が必要
結果
1: 合成の結果
白色針状結晶として単離
融点: 128-132℃
収率: 44-45%(19.3-19.7 g)
追加の粗生成物: 2.2-2.5 g(m.p. 122-128℃)
2: 生成物の特性
分子量: 214(質量分析より)
UV吸収: 255 mμ(エタノール中)
IR吸収: 1750, 1712, 1675, 1610 cm⁻¹
cis体とtrans体の混合物として得られる
考察
1: 合成法の利点
活性メチレン化合物の一般的カルボキシル化法として有用
ケトン、ニトロ基、アミド基で活性化された化合物に適用可能
反応条件が穏やか
スケールアップが可能
2: 課題と制限
シクロペンタノンでは純粋なケトジエステルが得られない
原料と試薬の比率が重要(1:8が最適)
異性体混合物として得られる
結論
新規カルボキシル化法の確立
中程度の収率で目的物を取得
様々な活性メチレン化合物に適用可能
将来の展望
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