論文のタイトル: Synthesis of Nepetoidin B(ネペトイジンBの合成)
著者: Vitaliy Timokhin , Matthew Regner , Yukiko Tsuji , John Grabber , John Ralph*
雑誌名: Synlett
巻: Volume29, Issue09, 1229-1231
出版年: 2018
DOI: https://doi.org/10.1055/s-0036-1591556
背景
1975年にPlectranthus caninusから初めて単離
様々な植物種から(Z,E)-1と(E,E)-1の異性体として発見
植物中の含有量は極めて少量(例:100kgの丹参から37mg)
現在の市場価格は約5,000$/g
2: ネペトイジンBの医学的価値と生物学的効果
抗菌性および抗真菌性を示す
フリーラジカル消去特性を持つ
キサンチンオキシダーゼ阻害作用(痛風治療の可能性)
一酸化窒素の産生を抑制
化学分類学的マーカーとしての利用可能性
方法
1: 合成戦略
市販の1,5-ビス(3,4-ジメトキシフェニル)-1,4-ペンタジエン-3-オンを出発物質として使用
Baeyer-Villiger酸化によるビニルアセテートへの変換
三臭化ホウ素を用いた脱メチル化
2段階での合成経路を確立
結果
1: 合成収率
第一段階:40%の収率でテトラメチル化ネペトイジンBを合成
第二段階:43%の収率で最終生成物を取得
全体収率:17%(原料回収を考慮すると33%)
生成物は(E,E)-1/(Z,E)-1の異性体混合物(94:6)
考察
1: 研究の意義
ネペトイジンBの初めての合成に成功
従来の抽出法と比較して効率的な生産が可能に
市場価格を約500$/gまで低減できる可能性
医薬品研究での利用可能性の向上
結論
2段階合成による効率的なネペトイジンB製造法の確立
医薬品研究での利用促進への貢献
コスト効率の良い生産方法の実現
将来の展望
今後の応用研究に期待
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