2024年11月18日月曜日

Catch Key Points of a Paper ~0190~

論文のタイトル: Synthesis of Nepetoidin B(ネペトイジンBの合成)

著者: Vitaliy Timokhin , Matthew Regner  , Yukiko Tsuji , John Grabber , John Ralph*

雑誌名: Synlett 

巻: Volume29, Issue09, 1229-1231

出版年: 2018

DOI: https://doi.org/10.1055/s-0036-1591556


背景

1: ネペトイジンBの特徴と重要性

1975年にPlectranthus caninusから初めて単離

様々な植物種から(Z,E)-1と(E,E)-1の異性体として発見

植物中の含有量は極めて少量(例:100kgの丹参から37mg)

現在の市場価格は約5,000$/g


2: ネペトイジンBの医学的価値と生物学的効果

抗菌性および抗真菌性を示す

フリーラジカル消去特性を持つ

キサンチンオキシダーゼ阻害作用(痛風治療の可能性)

一酸化窒素の産生を抑制

化学分類学的マーカーとしての利用可能性


方法

1: 合成戦略

市販の1,5-ビス(3,4-ジメトキシフェニル)-1,4-ペンタジエン-3-オンを出発物質として使用

Baeyer-Villiger酸化によるビニルアセテートへの変換

三臭化ホウ素を用いた脱メチル化

2段階での合成経路を確立


結果

1: 合成収率

第一段階:40%の収率でテトラメチル化ネペトイジンBを合成

第二段階:43%の収率で最終生成物を取得

全体収率:17%(原料回収を考慮すると33%)

生成物は(E,E)-1/(Z,E)-1の異性体混合物(94:6)


考察

1: 研究の意義

ネペトイジンBの初めての合成に成功

従来の抽出法と比較して効率的な生産が可能に

市場価格を約500$/gまで低減できる可能性

医薬品研究での利用可能性の向上


結論

2段階合成による効率的なネペトイジンB製造法の確立

医薬品研究での利用促進への貢献

コスト効率の良い生産方法の実現


将来の展望

今後の応用研究に期待

0 件のコメント:

コメントを投稿