論文のタイトル: Complex Boron-Containing Molecules through a 1,2-Metalate Rearrangement/anti-S N 2′ Elimination/Cycloaddition Reaction Sequence(複雑なホウ素含有分子の合成: 1,2-メタレート転位/anti-SN2'脱離/環化付加反応の連続)
著者: Chloe Tillin, Raphael Bigler, Renata Calo-Lapido, Beatrice S. L. Collins, Adam Noble, Varinder K. Aggarwal
出版: Synlett
巻: 30, 449-453
出版年: 2019年
背景
1: 研究背景
ホウ素エステルは有機合成で非常に多用途
立体特異的な変換反応が多数存在
α-アミノホウ素酸はセリンプロテアーゼの強力な阻害剤
複雑な構造を持つアルキルホウ素エステルの合成は課題
2: 未解決の問題
高度に官能基化された有機ホウ素分子の合成法が限られている
複数の直交した反応性を持つ分子の合成が困難
立体選択的な合成法の開発が必要
3: 研究目的
複雑な三次元構造を持つホウ素化合物の合成法開発
高い立体選択性と官能基許容性を実現
ワンポット反応による効率的な合成を目指す
方法
1: 反応設計
1,2-メタレート転位/anti-SN2'脱離の連続反応を利用
脱芳香化中間体をDiels-Alder環化付加反応で捕捉
PTADをジエノフィルとして使用
2: 反応条件の最適化
リチオ化ベンジルアミンとホウ素エステルから出発
ClCO2CMe2CCl3でアミンを活性化
PTADを添加して室温で1時間撹拌
3: 基質適用範囲の検討
様々なホウ素エステル基質を検討
置換ベンジルアミン類の反応性を評価
光学活性なα-メチルベンジルアミンを使用
結果
1: ホウ素エステル基質の適用範囲
かさ高いホウ素エステルでは高いsyn選択性 (17:1 ~ >20:1 dr)
小さなホウ素エステルではanti選択性 (1:1.6 ~ 1:3.0 dr)
様々な官能基(Boc保護アミン、アジド、アルデヒドなど)が許容される
2: ベンジルアミン基質の適用範囲
メチル基やフッ素置換基が許容される
電子豊富なベンジルアミンは単離が困難
収率34-83%、高いジアステレオ選択性 (>20:1 dr)
3: 光学活性基質の反応
光学純度を高く保持して反応が進行 (95:5 er)
高いジアステレオ選択性 (>20:1 dr)
マッチド/ミスマッチド効果は観察されず
考察
1: ジアステレオ選択性の考察
かさ高いR基ではBpin基の方が立体的に小さい
小さなR基ではBpin基の方が立体的に大きい
フェニル基では中間的な選択性を示す
2: 立体特異性の考察
ボロネート錯体の低エネルギー配座が選択的にN-アシル化
高い立体特異性でInt-I中間体が生成
環化付加過程で立体化学が保持される
3: 反応の有用性
複雑な三次元構造を一段階で構築可能
高度に官能基化された分子が得られる
光学活性な三級ホウ素化合物の合成法として有用
4: 研究の限界
電子豊富なベンジルアミンでは単離が困難
一部の基質で低いジアステレオ選択性
PTADのみが有効なジエノフィル
結論
1,2-メタレート転位/anti-SN2'脱離/環化付加の連続反応を開発
複雑な三次元構造を持つホウ素化合物の立体選択的合成に成功
高い官能基許容性と光学純度の保持を実現
将来の展望
得られた化合物の官能基変換
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