Catch Key Points of a Paper ~0140~で紹介した論文: N-(Sulfonio)Sulfilimine Reagents: Non-Oxidizing Sources of Electrophilic Nitrogen Atom for Skeletal EditingのN-(スルホニオ)スルフィルイミン試薬について気になったので、少し深堀りしました。
ごちゃごちゃ考えたことを雑記として供養しておこうと思ったので以下つらつらと妄想をします。
まず、出発物質ですけど、DMSOと一緒で個人的に2重結合書くよりしっくり来るので、表記法に関しては有機典型元素化学~その1~を参照してください。この辺りは、DMSO結合をルイス構造式で書いてみると、違和感の正体がわかりやすいと思います。ただ、実際S-O単結合よりは短いので、一長一短なのですが。。。。ここで、スルホキシドのこだわりを話し出すとそれだけで、1記事書いてしまいそうなので、ここでは、S上に+のチャージ書いてますが、ローンペアある風に思ってください。
あと、SとO上のチャージも本当は2+と2-として量子化学ガン無視で形式的には書きたいのですが。。。形式的にそう書きたい理由は、酸素の方が電気陰性度が高いので、S-O結合の電子が酸素側に寄っているとすると、Oは元々の6電子より2電子多く持っており、一方のSは元々の6電子より2電子少なく持っている(SとCは電気陰性度ほぼ等しいので、1電子ずつ各原子の所有とする)と仮想的に考えるとその時の分子内の各原子の状態や性質をDFTでマリケンチャージ計算しなくても、個人的には大雑把にイメージしやすいからです。
つらつらと書きましたが、以下仮想的な妄想反応機構です。まぁ、Aが生成するプロセスは違和感ないと思います。-60℃、45分で進行するので、ほぼバリアレスで進行してますね。(TMS)2NH投入後も-15℃で進行してるあたり、総じて活性化障壁は低いかほぼないと言えそうです。
中間体B→C→Dのところは、B書かずに直接書いてTMSOTfが脱離したD書いてもいいような気がしますし、TMSOTfの代わりにHOTfが脱離してN上にTMS2つが乗った中間体D’書いてもいいような気がしますね。ただ、D’めっちゃ嵩高くなるので、次進むのか?と考えました。HOTfが脱離して行く方がこの時点ではバリアレスになるのでより良い気がしますが、HOTfが脱離したら、(TMS)2NHとアンモニウム塩作るだろうなって思ったら、あれ?それダメじゃね?と、この時点では考えていました。それにD’ができたと仮定してもD’とアンモニウム塩作るだろうと。。。そしたら、どの道、中間体E作るときにTMSOTfが脱離していくのでは?などと、自分の考えに都合よく解釈してるような気がしなくもないですが、中間体D→E→Fの経路で妄想しました。そして、TMSOTfが脱離したGが生成して、、、と考えたところで、あれ?どの道HOTfが(TMS)2NHとアンモニウム塩Iを作らないと、目的生成物Hできないやんと当たり前の事実に気が付きました。これ収率が67%に留まっているのってアンモニウム塩Iの生成が原因なのでは?と思いました。一方で、反応系中ではHに対してTMSOTfが2当量存在していても、Hが生成しているので、HとTMSOTfが反応してGのN上にHの代わりにTMSが乗った中間体G’の反応はほぼ不可逆なのかなと推測しました。
収率50%を超えているのはアンモニウム塩IからTMSOTfを脱離させて、TMSNH2として一部が再生すると考えれば、まぁおかしくはないですかね。実際の反応では(TMS)2NHを滴下しているので、(TMS)2NHが半量入った時点で、H:I:TMSOTf:A:HOTfの比は1:1:2:2:0になっていて、Iから半量が再生して反応が進行するとすると、H:I:TMSOTf:A:HOTfの比は1.5:0.5:3:1:1になってしまうので、さすがにHとGの間の関係性は、Iの代わりにフリーのHOTfが反応系中で相対的に多く存在し始めるのはナンセンスだと思いますので、収率が67%に留まっているのはその辺りが理由なのではないかと妄想している次第です。
それではまた。
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